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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収 |
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2025年6月4日
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━━<与信管理メルマガの草分け>━━━━━━━━━━━━━
■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■ 総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1364(2025年6月4日号)━━━━
こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。
海外取引で支払遅延が密かに増えています。
今後の不確実性を考慮すると、今のうちに社内の与信管理体制を固めておきたいところです。
●海外取引の債権回収実務
https://www.kmjpn.com/trading.htm
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<このメルマガの目的>
最新のニュースを題材にして、与信管理、債権回収に関する最新の手法や情報を毎週提供する。
審査、与信管理、債権回収を専門としている人向けメルマガ。
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◆今週のテーマ◆
「支払遅延を防ぐ効果的な与信管理の方法」
企業経営において、キャッシュフローは血液のようなものであり、資金の滞留は経営の死を意味する。
そのため、支払遅延の防止は与信管理の最重要課題である。
特に不況時や取引先の環境が不安定な状況では、たった一件の遅延が連鎖的に資金繰りを悪化させるリスクもある。
今回、支払遅延を未然に防ぐための実践的な与信管理の方法を、調査・審査・モニタリング・契約・フォローアップの5つの観点から解説する。
1.信用調査の徹底:リスクの芽は事前に摘み取る
与信管理の第一歩は、取引開始前の信用調査にある。
D&BやCreditsafe等の外部データベースを活用し、相手企業の財務内容、支払履歴、業界内評判などを多角的に把握することが重要だ。
特に、過去に重度の支払遅延の履歴がある企業は要注意である。
2.与信限度の設定と見直し:守るべき一線を明確に
調査結果を基に、取引先ごとに与信限度を設定する。
これはいわば「この範囲までなら万一回収不能でも自社に致命傷を与えない」という安全線である。
与信限度は静的な数値ではなく、取引状況や経済環境に応じて柔軟に見直すべきものである。
例えば、取引先の受注増加に伴い売上が増えたとしても、その裏に財務の健全性が伴っていなければ与信枠を広げるべきではない。
むしろ、増加分の支払実績を確認してから段階的に引き上げる方が賢明である。
3.契約条項の工夫:事前の備えがリスクを軽減する
口頭や暗黙の了解による取引はトラブルの温床である。
支払条件、遅延時の利息、回収不能時の法的手段等については、書面で明確に契約化すべきである。
とりわけ、支払遅延時に備えて「期限の利益喪失条項」や「遅延金利」を盛り込むことは効果的である。
4.定期的なモニタリング:変化を見逃さない
取引開始後も、信用状況は常に変動する。よって、定期的なモニタリングが欠かせない。
決算書の取得、支払遅延の有無、受発注動向などを通じて、相手の経営状況を点ではなく線で把握する姿勢が重要だ。
また、支払遅延の兆候として、以下のようなサインに注意を払うべきである:
・発注頻度の急激な増減
・担当者の頻繁な変更や連絡不通
・請求書への確認や異議申立ての増加
これらは、表面的には問題がないように見えても、裏では資金繰りが逼迫している可能性がある。
早期発見が被害の最小化につながる。
5.フォローアップと債権回収
万一支払遅延が発生した場合は、即座に連絡を取り、原因と今後の見通しを確認する。
重要なのは、相手の意向を見極めた上で、回収方針を定めることである。
支払能力はあるが資金繰りが一時的に逼迫しているだけであれば、分割払いや支払猶予など柔軟な対応も選択肢となる。
ただし、誠意のない対応や再三の約束違反が見られた場合は、毅然とした態度で回収を進める。
Collection Agencyの起用、法的措置の検討などを段階的に行い、自社の損失を最小限に抑える。
また、同様の遅延を繰り返さないためには、社内での情報共有とケーススタディの蓄積が不可欠である。
与信管理は、「事故が起きてから」ではなく「起きる前に」対策を講じる姿勢が問われる。
支払遅延は、企業経営における警告信号であり、その予兆を見逃さない洞察力と、万一に備える備えの徹底こそが、強い企業体質を築く鍵となる。
信用とは、数字だけでは測れない。
人を見る目、変化を察知する感度、そして何よりも「守るべきルール」をぶれずに運用し続ける覚悟が、効果的な与信管理の核心である。
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★編集後記★
早いもので2025年も5か月が過ぎました。
気持ち的には後半戦に入ったような感覚です。
☆次回は6月11日発行予定です。
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◆発行者の著作
『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
http://tinyurl.com/m5c8634
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