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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収  
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2024年3月6日
 
 
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■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■  総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1307(2024年3月6日号)━━━━

こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。

内閣府は中国政府のバランスシートがかなり傷んでいるとの調査結果を発表しました。

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<このメルマガの目的>

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◆今週のテーマ◆

「不良債権に苦しむ中国経済」

内閣府の調査「世界の潮流2023年U〜中国のバランスシート調整・世界的なサービス貿易の発展」によると、中国の不良債権問題は公表値以上に悪化している可能性がある。

https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/sekai223siryou.pdf

民間非金融部門の債務残高は、2023年第2四半期において、GDPと比較して228%まで上昇した。これは、民間の非金融部門だけで、中国全体のGDPの2倍以上の債務を抱えていることを意味する。

日本政府の債務残高のGDP比は260%と世界最悪だが、これに次ぐ水準であることになる。

また、中国の金融当局の発表では、2023年第3四半期の不良債権比率は1.6%と低い水準。しかし、民間の推計では、融資残高に占める貸倒引当金比率は2.9%と高い水準にある。

両者の正確な計算式は不明だが、一般的に不良債権比率と貸倒引当金比率は同じである。つまり、政府が公表している不良債権よりも、実際の不良債権は8割も多い可能性があることになる。

さらに、銀行の不良債権を証券化した商品の販売が2023年は大きく増加した。内閣の報告書のグラフを見る限り、2023年は約500億元(約1兆円)もある。

これは、2022年の約300億元と比べると6割以上も増加したことになる。

グラフを見ると、2016年から2019年は100億元前後で推移していたのだが、コロナ発生の2020年から一気に3倍近い300億元に急増した。

その後、2022年までは300億元程度で推移していたが、2023年はさらに増加した。また、その内訳をみると、住宅ローンの不良債権を証券化したものが、全体の半分以上を占めている。

中国の不動産市場の低迷により、多くの住宅ローンが不良債権化していることが如実に示されている。

香港の裁判所は1月末、中国不動産大手の恒大集団対して、法的整理の開始を宣告した。また、2月末には、同じ大手の碧桂園に対して、債権者が清算の申し立てを香港で行った。

さらに、3月1日には、ドイツ銀行が中国の不動産開発会社である世茂集団に対する清算の申し立てを香港で行うと発表。

香港における法的整理が、実際に資産の大半がある中国本土でどの程度、影響するのか未知数ではあるが、中国の不動産業界を取り巻く環境は厳しい。

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★編集後記★

日経平均が史上最高値を更新し4万円を突破したことは、素晴らしいニュースです。
株高の要因は円安により、外国の投資家が日本株の割安さに目をつけていることのようですが、今後も安定的に緩やかに上昇し続けることを期待します。

☆次回は3月13日発行予定です。 
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◆発行者の著作
『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
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