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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収 |
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2023年11月15日
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━━<与信管理メルマガの草分け>━━━━━━━━━━━━━
■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■ 総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1293(2023年11月15日号)━━━━
こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。
中国の不動産不況は業界だけでなく、金融機関の経営にも大きな影響を与えています。
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<このメルマガの目的>
最新のニュースを題材にして、与信管理、債権回収に関する最新の手法や情報を毎週提供する。審査、与信管理、債権回収を専門としている人向けメルマガ。
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◆今週のテーマ◆
「中国の不良債権、400兆円!?」
中国の不動産業界の苦境は世界的にも知られている。恒大集団の債務不履行に続き、碧桂園も10月に債務不履行に陥った。
また、香港で債権者から清算を裁判所に申請されている恒大集団は、再建計画の合意まであと3週間しかありません。
当然、こうした不動産会社に巨額の融資を行っている金融機関も無傷ではいられない。中国政府の発表では2023年第3四半期末で、金融機関の不良債権比率は1.65%。
金額にすると4兆元。日本円で約80兆円。しかし、この金額を額面通りに受け取る向きは少ない。
「米格付け会社S&Pグローバルが例示するのは恒大が大株主だった盛京銀行のケースだ。開示資料に記した不動産業向け不良債権額は計15億元。一方、返済を求めて裁判所に提出した提訴した債権額は恒大だけで326億元にのぼる。」(2023年11月14日付け日本経済新聞)
公表している債権額と実際の債権額の差は実に20倍以上。これをすべての金融機関の不良債権に当てはめると、不良債権額は実に1,600兆円に上る。
中国のGDPは2022年末で、約2400兆円である。GDPの7割弱を占めることになる。
これはあまりにも飛躍した計算だが、日本総研は、「2022年央で19.7兆元、GDPの16.9%に相当」と試算している
(日本総研「アジアマンスリー」2022年11月号)。
公表値の5倍である。日本円にして400兆円。万が一、GDPの17%が吹っ飛べば、中国経済に与える影響は甚大だ。
中国政府は、日本のバブル崩壊を徹底的に研究したが、同じ轍を踏む可能性は十分にありそうだ。
問題はそれがいつなのか?
ひとつのきっかけになり得るのは、恒大集団の清算のタイムリミットである12月4日である。なお、同じく債務不履行に陥っている龍光集団に対する清算申し立ての審理も同日だ。
債権者との交渉が成立し、これが回避されれば、何とか年末を乗り切れる。
仮に、清算となると、不動産業界の連鎖倒産、銀行の債権回収強化、融資審査のさらなる厳格化につながる可能性がある。
中国の不動産業界から当分目が離せない。
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★編集後記★
先週末から一気に寒くなりましたね〜。
土曜日に海に行ったのですが、北風が強くて…。
お湯が必要な季節になりましたね。
☆次回は11月22日発行予定です。
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◆発行者の著作
『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
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