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━━<与信管理メルマガの草分け>━━━━━━━━━━━━━
■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■ 総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1246(2022年11月2日号)━━━━
こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。
金融庁は2023年から、中小企業向け融資における経営者の個人保証を制限する。
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<このメルマガの目的>
最新のニュースを題材にして、与信管理、債権回収に関する最新の手法や情報を毎週提供する。審査、与信管理、債権回収を専門としている人向けメルマガ。
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◆今週のテーマ◆
「経営者の個人保証、本当になくなるか?」
「金融庁は2023年から、金融機関の中小企業向け融資で経営者が個人で背負う「経営者保証」を実質的に制限する。メガバンクや地域銀行、信用金庫といった預金取扱金融機関は保証の必要性など理由を具体的に説明しない限り、経営者保証を要求できなくなる。個人が起業しやすい環境を整備する狙いだ。金融機関側は融資先に対する目利き力を問われることになる。」
(出所:2022年11月1日付け日本経済新聞夕刊 )
世界的にみても、日本ほど個人保証が浸透している国はない。法人が借入する時の経営者の連帯保証はもちろん、
一般の個人でもマンションなどを賃貸する時の保証人に、一度や二度はなったことがある人が多いはずだ。
日本との歴史的な経緯がある韓国や台湾でも、個人保証は浸透している。アジアでもその傾向はある。
一方、欧米では、企業が銀行から借入する場合に、経営者の個人保証を求められることは一般的ではない。
海外取引の債権保全策として、個人保証を検討する企業から質問や相談を受けることがあるが、私が個人保証を勧めることはない。
理由は2つある。
一つ目は、信用取引における連帯保証の必要性を経営者に納得してもらうのが難しいこと。
二つ目は、保証の実行力が乏しいことだ。中小企業が破産する時、ほとんどの場合、経営者個人も自己破産する。
連帯保証の金額が億単位で、個人で返済など到底無理だからだ。
国内においては、一つ目は問題ない。しかし、二つ目の問題は存在する。
2013年に策定された「経営者保証に関するガイドライン」に沿って、金融庁は金融機関に無保証融資を要請してきた。
確かに、融資に占める無保証融資の比率は増加しているが、依然、2021年時点で29.9%に留まる。
こうした中、金融庁が要請からさらに踏み入って、「制限する」ことは評価できる。しかし、これで本当に経営者の個人保証はなくなるのか疑問を感じる。
記事では、「制限」と書かれているが、この制限に何らかの強制力があれば、今後、経営者の個人保証の比率は大きく減少するはずだ。
一方、制限ではあるものの、金融機関側の恣意的な対応の余地が残されていれば、劇的な変化は期待できない。
そもそも、金融機関が実効性の乏しい経営者の個人保証に固執する理由が理解できない。
債権保全策としての優位性はかなり昔に失われているはずだ。
改正案の行方を注視したい。
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★編集後記★
先月から、人々が再び動き始めた感じがしています。
そろそろ、政府が音頭を取って、「コロナ収束宣言」をするべきですね。
☆次回は11月9日発行予定です。
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◆発行者の著作
『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
http://tinyurl.com/m5c8634
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