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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収  
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■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■  総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1227(2022年6月8日号)━━━━

こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。

日本学生支援機構は、札幌高裁の判決を受けて、過払いがある2000人に超過受領分の10億円を返済すると発表しました。

https://www.jasso.go.jp/news/1201755_1579.html

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◆今週のテーマ◆

「保証人の分別の利益」

5月19日、札幌高裁が下した判決が日本学生支援機構の返還のきっかけである。

保証人が分別の利益を主張し、支払った債務の半額の返還を請求した訴訟で、一審、二審共に機構が敗訴した。

原告、被告共に上告しない。

札幌高裁判決は「共同保証人がいる場合、分別の利益により債務額は当然に減額される」と指摘した。

日本学生支援機構から奨学金を借りる場合、連帯保証人と保証人の2名の債務保証が必要となっている。

連帯保証人は親等、保証人は4親等以内親族等がなることが多い。ご存じの通り、連帯保証人には分別の利益がない。

一方、保証人には民法上の権利として分別の利益が認められている。しかし、機構は本人や連帯保証人に支払能力がない場合、保証人に対しても債務全額を請求していた。

機構の主張は下記の通りだ。

「なお、「分別の利益」や返還者本人や連帯保証人への「求償権」については、法律で定められているため、従来より本機構から個別に説明を行うこと等はしておりませんでしたが、より丁寧な説明を行う観点から、現在では保証人の権利及び義務について、奨学金案内等に記載することとしています。」

つまり、保証人側に法律の知識があり、分別の利益を主張すれば、債務は人数分で減額されていた。

しかし、何も知らない保証人からは全額の返済を受けていたということだ。

判決では、機構を「悪意の受益者」と指摘、不当利得を返還するよう命じた。これでは、まるで、高利貸しや闇金融の対応を変わらない。

SNSでは、このニュースを受けて、「学生支援機構どころか、ただのサラ金だ!」「学生向け高利貸し機構が真実の姿だ」などの声が上がっている。

今後、同様の判決が起こるのを見越して、機構は返還に踏み切ったと思われる。

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★編集後記★

関東地方は梅雨入りしたみたいですね。
最近、カラ梅雨が多いので、梅雨がそれほど嫌でなくなりました。

☆次回は6月15日発行予定です。

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