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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収 |
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━━<与信管理メルマガの草分け>━━━━━━━━━━━━━
■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■ 総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1199(2021年10月27日号)━━━━
こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。
今週から、飲食店に対する時短営業が沖縄を除く全国で、11か月ぶりに解除されました。
少しずつ経済も回復しているようですが、一方で、中小企業が抱える負債は高水準で推移しています。
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<このメルマガの目的>
最新のニュースを題材にして、与信管理、債権回収に関する最新の手法や情報を毎週提供する。審査、与信管理、債権回収を専門としている人向けメルマガ。
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◆今週のテーマ◆
「中小企業が抱える巨額の負債」
日本政策金融公庫によれば、令和2年度の中小企業に対する融資実績は4兆5,648億円で、前年度から4倍近くに急増した。
令和元年以前の4年間の融資実績は1兆1000億〜1兆5000億程度なので、3兆円はコロナ禍の影響による純増部分と推測できる。
融資実績の内訳をみると、新型コロナウィルス感染症が83%と一番多く、次いで新型コロナウィルス感染症対策の資本強化が7.6%。
この2つを合わせると9割を超える。
一方、融資残高は8兆2,181億円となり、前年度比で6割近くも伸びた。業種別で伸び率が最も大きかったのが、サービス業、次いで物品販売業だ。それぞれ、2.4倍、1.8倍と急増した。
コロナ禍の影響を大きく受けた飲食、宿泊、小売りに対する融資が伸びたことが分かる。
また、資金使途も前年度までは運転、設備の比率が53.5%、46.5%だったものが、72%、28%と運転資金の使途が圧倒的に増加した。
融資期間は7年超10年以内が最も多く、次いで10年超15年以内となった。それぞれ、37.6%、28.3%であり、この2つを合わせると、6割超となる。
ただし、3年以内も11.6%あり、この短期融資は令和5年度には完済されることになる。
一方、国民生活事業、つまり、個人や零細企業向けの融資実績は、9兆1,640億円となり、前年度比で4.2倍となった。
令和元年以前の4年間の融資実績は2兆1000億〜1兆4000億程度なので、約8兆円はコロナ禍の影響による純増部分と推測できる。
実際に、コロナ関連融資を含むセーフティネット貸付が、全体の9割以上を占めている。
また、同融資残高は12兆8,428億円となり、前年度比で8割近くも伸びた。業種別で伸び率が最も大きかったのが、飲食店、宿泊業、次いでサービス業だ。それぞれ、2.5倍、2倍と急増した。
中小企業事業の業種分類では、飲食、宿泊はサービス業に含まれていると推測されるが、国民生活事業ではなぜか別々に分類されている。
いずれにせよ、コロナ禍の影響を大きく受けた業種に対する融資が伸びた点は同じだ。
また、資金使途も前年度までは運転、設備の比率が62.8%、37.2%だったものが、84.8%、15.2%と運転資金の使途が圧倒的に増加した。こちらは、99.2%が無担保融資となっている。
コロナ禍で増えた推定12兆円もの中小、零細企業に対する融資は、今後返済されることになる。
1〜2年後に到来する据え置き期間の終了時に、倒産が急増すると予測する向きもある。
2008年の世界的な金融危機後に時限立法された、金融円滑化法の時と似ている。終了時に倒産が急増すると言われ続けたが、結局、何も起こらなかった。
新政権の判断にもよるが、支持率を維持するために、中小企業の倒産急増などの事態を全力で回避すると思われる。
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★編集後記★
今週で10月も終わり。
2021年も残すところ2か月となりました!
☆次回は11月10日発行予定です。※11月3日は祝日のためお休みです。
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◆発行者の著作
『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
http://tinyurl.com/m5c8634
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