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■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■ 総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1168(2021年3月3日号)━━━━
こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。
現在の状況下にあり、経営状況が悪化している企業は多いと思われますが、破産件数は減少しています。
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◆今週のテーマ◆
「減少する破産件数」
法務省の司法統計によると、2020年の破産件数は下記の通りとなっている。カッコ内は前年対比。
破産件数 78,104件(97.4%)
自己破産のうち、個人 71,678件(98.1%)
自己破産うち、法人 6,085件(90.2%)
正確には自己破産ではない強制破産が341件ある、
それが個人なのか、法人なのかは、統計からはわからない。
ただし、仮にそれが全て法人であっても、前年から減少していることに変わりはない。
倒産は裁判所が介在する法的手続きと、裁判所が介在しない私的手続きがある。さらに、法的手続きは再生型と清算型に分かれる。
再生型には大きく、会社更生や民事再生法がある。会社更生は大企業を想定しており再生の要件が厳しい。
一方、民事再生は中小企業を想定しており、要件が厳しくない。こうしたこともあり、近年、会社更生の利用は少なく、民事再生の利用は増加している。
正確なデータはないが、会社更生は数件、民事再生は数百件の申請があると推測される。
法的手続きを中心に倒産が減少している理由は政府の中小企業支援策にある。これにより、資金繰りをつないでいる企業が多い。
以前にもメルマガで取り上げたが、コロナ禍の緊急融資の6割近くは、返済猶予の期間が1年以内となっている。
昨年末から開始したか、今年の4〜5月から返済が開始される企業が多い。この辺りで倒産が増えると見る向きが多いが、私は懐疑的だ。
もちろん、コロナがどこまで長引くかによるが、菅政権の威信にかけて、中小企業の資金繰りを下支えすると見ている。
減少が明らかな倒産と違って、休廃業や解散は増加の一途をたどっている。2020年は5〜6万件と言われており、倒産件数の6〜7倍もある。
よく言われていることだが、近年、倒産と廃業の区別が曖昧になっている。そもそも、世の中では、同義語に扱う風潮がある。
また、「会社を倒産させた」というより、「廃業した」とする方が世間体がいいからだと思われる。こうした状況下にあって、企業としてはこれまで以上に取引先の経営動向には目を光らせたい。
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★編集後記★
今日はお雛祭りです!
首都圏の緊急事態が予定通り解除されるといいですね。
☆次回は3月10日発行予定です。
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