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━━<与信管理メルマガの草分け>━━━━━━━━━━━━━
■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■ 総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1169(2021年3月10日号)━━━━
こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。
財務省の法人企業統計によると、意外にも、中小企業全体の利益は大幅に増加しています。
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<このメルマガの目的>
最新のニュースを題材にして、与信管理、債権回収に関する最新の手法や情報
を毎週提供する。審査、与信管理、債権回収を専門としている人向けメルマガ。
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◆今週のテーマ◆
「意外に増加した中小企業の利益」
2020年10〜12月期と1年前の2019年10〜12月期を比較してみた。
中小企業の定義は業種により異なるが、法人企業統計の分類により、資本金1億円以上を大企業、1000万円以上1億未満を中小企業とした。
金融機関からの借入を示す長短の借入金の増加率は下記の通り。
短期借入金 長期借入金 純資産 母数
大企業 107.4% 109.8% 99.8% 3万社
中小企業 104.8% 103.6% 95.5% 89万社
借入金の増加率は長短共に、大企業の方が高かったが、純資産の減少率は中小企業の方が高かった。
売上 営業利益 その他営業外収益 経常利益
大企業 94.5% 92.3% 82% 90.6%
中小企業 97% 114.4% 142.2% 124.5%
意外にも中小企業は大幅な増益となっていることが分かった。中小企業の経常利益増加額は1兆1千億円にも上る。
コロナ禍で企業が受領した持続化給付金や雇用調整金はその他営業外収益に計上される。この増加額は6,500億円もあり、経常利益増加額の半分超を占めているため、政府の支援により利益が膨らんだ形となる。
ただし、業種により状況は異なる。下記は規模にかかわらない全規模の数値だ。
売上 営業利益 その他営業外収益 経常利益
飲食業 93.9% 約2兆の減益 345% 約1.1兆の減益
宿泊業 53% 約1.4兆の減益 429% 約0.8兆の減益
運輸業 92.5% 約13.3兆の減益 164% 約12.7兆の減益
製造業 94.5% 121% 89.8% 121%
小売業 113.2% 152% 109.5% 153%
卸売業 91.9% 129.9% 116.9% 117.3%
コロナの影響を大きく受けた飲食、宿泊、運輸は赤字転落である。減益幅も巨大だ。
巣ごもり需要が発生した小売は5割近い増益となった。製造や卸売でも、売上こそ減っているが、2割近い増益である。
無論、回答企業数の変化はある。ただ、増益となった小売は3千社超、卸売は4千社超、製造業は5千社弱の減少した上での結果である。
社数の減少を考慮すると、増加率はさらに増える計算になる。
意外な調査結果となったが、これはあくまで昨年10〜12月期である。2回目の緊急事態宣言が発令された1〜3月期は全く違った結果になることが予想される。
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★編集後記★
春の訪れが待ち遠しいこの頃です。
☆次回は3月17日発行予定です。
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『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
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