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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収  
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━━<与信管理メルマガの草分け>━━━━━━━━━━━━━
■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■  総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1242(2022年10月5日号)━━━━

こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。

私的整理の一種である事業再生ADRの使い勝手を良くしようという動きが出ています。

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<このメルマガの目的>

最新のニュースを題材にして、与信管理、債権回収に関する最新の手法や情報を毎週提供する。審査、与信管理、債権回収を専門としている人向けメルマガ。
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◆今週のテーマ◆

「事業再生ADRは法的整理に?」

「新たに検討する「私的整理円滑化法案」は多数決による決議と裁判所の認可で手続きを迅速に進める方式を想定する。企業の経営が著しく悪化する前に予防的にかじをきれるようにする。破綻を避けられれば債権者全体の利益になる。」(2022年10月3日 日本経済新聞 朝刊)

定義によるが、事業再生ADRは倒産ではないと捉える向きもある。整理されるのは金融機関の債権が中心で、一般の債権は基本的に対象外だからだ。

そのため、ブランドへの影響が軽微であるとして、債務整理の選択肢として候補に挙がる傾向がある。

一方、債権者全員の同意が必要という点が大きなハードルになっている。

令和3年3月までに80件(269社)の利用があり、60件(219社)で債権者全員の同意を得ることができた。4件に3件は合意ができたことになる(経済産業省調べ)。

今回の改正では、ハードルとなっている債権者全員の同意を、多数決または裁判所の認可に変更しようという趣旨だ。

多数決を導入するのは良いが、疑問に思ったのは、「裁判所の認可」という文言だ。

事業再生ADRはADRという言葉の通り、Alternative Dispute Resolution(裁判外紛争処理)で、私的整理である。

私的整理と法的整理の違いは、裁判所の介在にある。

裁判所が介在すれば、もはや、私的整理ではなくなる。おそらく、倒産として扱われることになるはずだ。

事業再生ADRが債務整理の選択肢としてある程度支持を集めていたのは、倒産と捉えられないからだ。

今回の改正で、裁判所の介在があるのであれば、会社更生法や民事再生法との差別化が難しくなる。
今後、法改正に関する具体的な情報を注視したい。

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★編集後記★

早いもので今年もあと3か月となりました!

☆次回は10月12日発行予定です。

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◆発行者の著作
『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
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