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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収  
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━━<与信管理メルマガの草分け>━━━━━━━━━━━━━
■ニュースで学ぶ与信管理と債権回収■  総発行部数2,671部
━━━━━━━━━━VOL.1244(2022年10月19日号)━━━━

こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。

前回に続き今回もEuropean Payment Report2022を取り上げます。

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<このメルマガの目的>

最新のニュースを題材にして、与信管理、債権回収に関する最新の手法や情報を毎週提供する。審査、与信管理、債権回収を専門としている人向けメルマガ。
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◆今週のテーマ◆

「支払遅延をどこまで問題と認識しているか?」

国別で与信管理に関して何を問題として認識しているのか見てみよう。

下記の比率は各設問が問題となっているかという問いに対して、「問題だ」と回答した企業の割合である。

(1)支払遅延

問題である回答した比率の高い上位5か国

ラトビア 89%
エストニア 86%
ノルウェー 84%
デンマーク、リトアニア 83%

問題である回答した比率の高い下位5か国

ポルトガル 71%
フィンランド、セルビア、スウェーデン、スイス 75%

支払遅延が問題であると回答した企業の比率が高い国は、東欧に多いことが分かる。北欧の国も一部含まれている。

一方、比率の低い国は北欧に多いが、ポルトガルなど例外もある。

ただし、最も比率の高い国と低い国の差は18%程度である。最も低いポルトガルでも7割以上とほとんどの企業が、問題と認識している点に変わりはない。

(2)長期回収サイト

問題である回答した比率の高い上位5か国

ギリシャ 82%
ルーマニア 81%
スペイン 80%
スイス 78%
ベルギー 77%

問題である回答した比率の高い下位5か国

アイルランド、ラトビア、リトアニア 67%
UK 68%
オーストリア 70%

いわゆる南欧の国ほど長期の回収サイトを問題視している傾向がある。こちらも、最も低い国でも67%なので、長期の回収サイトをほとんどの企業が問題と捉えていることが分かる。

(3)不良債権

問題である回答した比率の高い上位5か国

スロベニア 81%
ボスニアヘルツェゴビナ、クロアチア、ラトビア 80%
オランダ 79%

問題である回答した比率の高い下位5か国

ベルギー、スウェーデン 49%
チェコ、イタリア、スロバキア 51%

不良債権を問題と捉えている企業の割合が多いのは、東欧諸国となった。一方、比率の低い国には地域的な共通項はなく、北欧の国もあれば、支払遅延で悪名高きイタリアも意外に低かった。

4つの設問の中で、回答の比率に最も大きく差が出たのが、不良債権だった。最上位と最下位で実に30%以上も差がある。

(4)顧客の倒産

問題である回答した比率の高い上位5か国

ボスニアヘルツェゴビナ 78%
クロアチア 75%
ドイツ、ギリシャ 74%
ポルトガル 73%

問題である回答した比率の高い下位5か国

リトアニア 56%
スペイン 59%
オーストリア 60%
アイルランド 61%
チェコ、デンマーク 63%

「顧客の倒産」についても、上位には東欧諸国が多い印象だ。一方、ドイツなどの優等生もランクインした。下位国には地域的な共通点はほとんどなかった。

今回の設問については、地域的な傾向は明確に見られなかった。理由として考えられるのは、具体的な数値ではなく、「問題だと思うか?」という質問の性質によるところが大きい。

例えば、支払遅延が多い国でも、それを当たり前と認識していれば問題だとは思わない可能性がある。

そう考えると、支払遅延が多いとされるイタリアやスペイン、ポルトガルなどで問題と認識している企業の比率が低かったのも理解できる。

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★編集後記★

先週末、札幌に行ったのですが、空港も機内もかなりの人出でした。全国旅行支援が効いているようです。

☆次回は10月26日発行予定です。

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◆発行者の著作
『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
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