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ニュースで学ぶ与信管理と債権回収  
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2025年11月5日
 
 
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━━━━━━━━━━VOL.1384(2025年11月5日号)━━━━

こんにちは。
ナレッジマネジメントジャパンの牧野です。

2025年に発覚したAIスタートアップ企業「オルツ」の粉飾決算事件は、新興企業との取引に潜むリスクを浮き彫りにしました。

上場を目的とした巧妙な手口は、多くの投資家や取引先に影響を与え、新興企業との取引における慎重な判断の重要性を示しています。

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◆今週のテーマ◆

「オルツの粉飾、新興企業のリスクを顕在化」

このニュースを聞いて、すぐ頭に浮かんだのがエフオーアイである。
2009年11月に東商マザーズに上場し、わずか半年で上場廃止となった。

何と、売上の97%が粉飾だったのだ。その後、同社は破産。
経営陣は金融証券取引法違反(有価証券届出書の虚偽記載)で有罪となった。

オルツの事例でも、売上の9割が架空であり、その多くは「循環取引」という不正な手口で作られていた。

監査法人でさえ見抜けないリスクを避けるためには、表面的な情報だけでなく、企業の実態を深く理解することが不可欠だ。

1.企業の実態を多角的に把握する

(1)ビジネスモデルの理解を深める

どんな商品で、どのようにして利益を上げているのかを具体的に確認する。
オルツのケースでは、主力製品「AI GIJIROKU」の詳細な機能や他社優位性が不明確だった。

また、特定の取引先に売上が異常に集中していないかを確認する。依存度が高い場合、その取引が健全であるか慎重に見極める必要がある。

(2)信用調査の実施

登記情報や信用調査会社などを活用し、客観的な情報を得ることが重要。
また、過去の報道などを確認し、ネガティブな情報や信用情報がないか調査する。

2.決算書やIR情報の「違和感」に気づく

決算書やIR(投資家向け広報)資料には、企業の健全性を示す多くのヒントが隠されている。
オルツの事例でも、上場前のIR資料にいくつかの危険信号が見られた。

(1)財務諸表のチェックポイント

売上高に対して広告宣伝費が異常に高い、または売上が急増しているにもかかわらず利益率が改善しない場合は注意が必要。

売上の伸び以上に売掛金が急増している場合、架空売上の可能性がある。

利益が出ているにもかかわらず、営業キャッシュフローがマイナス、あるいは現金が全く増えていない場合は、不正会計の兆候かもしれない。

(2)IR資料の読み解き方

「?を目指す」「期待される」といった曖昧な言葉が多く、具体的な数値目標や実績が乏しい場合は注意が必要。

足元の事業内容よりも、壮大なビジョンや開発中のプロダクトの話に終始している場合、現実的な経営が行われていない可能性がある。

3.経営者の資質とガバナンス体制を見極める

企業の方向性を最終的に決定するのは経営者である。

経営者の言動や、それをチェックするガバナンス体制の有無は、取引の信頼性を測る上で重要な指標となる。

(1)経営者の言動

難解な専門用語や抽象的な哲学を多用し、本質的な議論を避ける傾向がないか注意する。
SNSやメディアでの発言と、実際の事業内容に乖離がないかも確認する。

取締役会や監査役が機能しているか、社外取締役など外部の目が入っているかを確認することも一つの判断材料になる。

オルツの事件では、監査法人や証券会社、取引所の審査をすり抜けるために、改ざんした資料を提出していたことが明らかになっている。

このように、意図的に隠蔽が行われるケースもあるため、多角的な情報収集がより重要になる。

新興企業は革新的な技術やサービスで急成長する可能性を秘めている一方で、経営基盤が脆弱であったり、成長へのプレッシャーから不正に手を染めてしまったりするリスクも抱えている。

オルツの事件は、「AI関連の注目企業」「上場企業」といった肩書きだけを信じることの危うさを露呈した。

取引を行う際には、上記のポイントを参考に、多角的な視点から企業を冷静に評価し、健全なパートナーシップを築くことが重要だ。

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★編集後記★

三連休はいかがでしたでしょうか?
私は体調を崩してしまい、自宅で大人しくしていました。
最近の急な気温の変化についていけなかったようです。

☆次回は11月12日発行予定です。

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◆発行者の著作
『海外取引でよく使われる与信管理の英語』(IBCパブリッシング)
http://tinyurl.com/m5c8634

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