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【 海外与信管理入門 第27回 「危険な兆候2」】 |
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危険な兆候として挙げられるのは、「支払条件の変更依頼」である。
こうした依頼に安易に応じたがために債権回収不能に陥った債権者は数知れない。
特に顧客側も「L/Cの開設コストが高い」、「L/Cは書類が煩雑だ」など、
もっともらしい理由を付けてくるので要注意である。
確かに、信用状は開設コストもかさむし、書類も煩雑である。銀行が支払いを
保証するわけだから、一言一句のミスも許されないこともある。
あるいは、商取引では取引実績に応じて、支払条件を緩和するのは至極当然のことでもある。
しかし、実情は、経営状態が悪化して、銀行で信用状を開設できなくなっているかもしれない。
信用状態が今一つで、信用状開設に担保の提供を求められているが、
担保が提供できないかもしれないのだ。
こうした提案を受けるなとは言わないが、安易に応じるのは得策ではない。
提案あったら、必ず取引先の信用調査を改めて行うように心がけたい。
また、「回収代行履歴の発覚」も危険な兆候である。件数や債権額にもよるが、
債務者の支払能力がかなり低下していると見てよいだろう。
もちろん、中には与信管理規定などで定めていて、遅延期間が3カ月を経過した債権は、
半ば自動的に外部に委託する企業もある。
それでも、コレクション・エージェンシーを活用すれば、成功報酬などの費用が発生する。
当然、粗利などは吹き飛んでしまう。原価分の何割かでも回収したいということは、
それだけ債権回収が難しいのだろうと推測できる。
こうした意味では、海外の債権回収においては見逃せない兆候である。
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