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【 海外与信管理入門 第26回 「危険な兆候」】 |
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国内外の取引に関わらず、両社の関係がうまくいっている間は、連絡の頻度は高く、
相手のレスポンスも早いものだ。
海外でも電子メールの場合、中国やアジアなど時差の少ない地域であれば同日に返信があるし、
それ以外の地域でも次の日には返事が来ることが多い。
ところが支払が滞るようになるとこうは行かない。2、3日たっても返事がない、
何回かリマインドしてやっと、1週間後ぐらいに1、2行の短いメールが返ってくるようになる。
これは顧客の中における自社の重要性が低下している証拠である。重要ではなくなってきたので、
返事が後回しになるのだ。支払も同じで、どんどん後回しにされるようになる。
あるいは、これから支払いを遅延させる心積もりがあるので、何となく返信しにくいという
心理状態もあるかもしれない。
また、こちらから質問やちょっとした依頼などに応えてもらえなくなるというのも要注意である。
顧客があなたの会社との対応を面倒だ、煩わしいと感じている可能性が高く、
優先順位の低下を意味する。
こうした事象は必ずしも遅延の兆候でない場合もある。しかし、こうした軽微の兆候を
見逃さずに早い段階で適切な対応を取ることが、遅延債権の発生を未然に防ぐことにつながる。
面倒がらずにわずかな疑問を追及する姿勢が大切だ。
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