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【 海外与信管理入門 第25回 「債務者のタイプ2」】 |
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前回に引き続き、海外の債務者のタイプ別の特徴と対処法を考えてみよう。
(4)責任転嫁型
(5)強制型
(6)居直り型
(4)責任転嫁型
未払いの責任を債権者に転嫁するタイプ。具体的には、未払いの理由を製品の
品質に対するクレームにすり替えてしまう。
通常のクレームであれば、製品受領時に発生するはずだが、支払の時期になって
クレームが起きること自体、言いがかりの感がぬぐえない。
支払能力のあるこのタイプには訴訟も辞さない構えで徹底的に争う。支払能力がない場合は、
クレームは単なる言い訳で、債務免除などが真の理由であることが多い。
(5)強制型
強制的にされないと支払わない債務者。強制的とは、訴訟を起こされる、敗訴する、
強制執行されそうになるなどを指す。相手の出方を見て、本気であれば、交渉に応じようとする。
これも支払能力の有無を見極めて、資産があるようであれば、早期に確定判決が
得られるように法的手続きを進める。資産がない場合は、分割払いや債務免除などに応じることで、
債権の何割かでも回収するようにする。
(6)居直り型
支払能力がなく、支払意志もない債務者であり、手に負えない。こうしたタイプは、あきらめるしかない。仮に訴訟すれば、勝訴するかもしれないが、強制執行を掛ける財産がないのだから、意味がない。
無税償却のための情報や資料集めに時間を割いた方が良いだろう。
忘れないでいただきたいのは、最初から、強制型や居直り型の債務者はいないということだ。
遅延期間が長期化するにつれて、経営状態や財政状態が悪化して、
このようなタイプの債務者に変質するのである。
債務者のタイプ分けからも、早期に回収することの重要性が改めて分かる。
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