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【 海外与信管理入門 第15回 「回収代行の履歴」 】 |
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英文のクレジットレポート(信用調査報告書)の支払情報で必ず確認したいの
が、回収代行の履歴である。
レポートでは、Placed for Collection(回収代行の依頼)、あるいはCollections
(債権回収)などという記述がこれに該当する。
日本と違い、法律上の規制がない諸外国では、回収代行は立派なビジネスであ
り、成長産業でもある。
回収代行の主な担い手であるCollection Agency(回収代行会社)は、全世界2
万社近くあるといわれる。そのうち、半分は米国にあるが、残りは北米や南米、
欧州、アジアやロシアにもある。
世界的にみると、弁護士資格者にのみ、回収代行を限定している日本や中国が
圧倒的に少数派なのである。
このように、一般的なビジネスである回収代行だが、活用に際して成功報酬な
どの費用が発生する。成功報酬は、回収時にのみ課金されるものだが、回収で
きた場合には、費用がかかることに変わりはない。
自社で回収できるものならば、それに越したことはないのだ。こうした中で、
回収代行を依頼するということは、それだけ、回収が難しいと判断しているこ
とになる。
回収代行の依頼件数が1〜2件だったり、少額の債権だったりすれば、請求書
の紛失などの手違いなども想定されるが、件数が多くなれば、明らかに調査対
象企業の経営が悪化していると判断できる。
ある意味では、格付けや支払情報よりも、その企業の経営状態を如実に表して
いる情報である。
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