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【 海外与信管理入門 第13回 「日本企業が陥りやすい海外取引の過ち(3)」 】 |
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日本企業が陥りやすい海外取引の過ちは、契約書を交わさずに取引を始めてし
まうことである。
これは、文化や商習慣ともかかわりがあるが、性善説というか、相手を基本的
に信用しているので、口約束でもビジネスを行う傾向がある。
無論、ビジネスがうまくいっている間は、口約束でも問題ないだろう。しかし、
問題は、支払遅延などの問題が浮上してきた場合である。
契約はOffer(申し込み)とAcceptance(承諾)で成立するし、書面である必
要もない。
しかし、問題が生じたときには、契約書がある場合と比べて、口約束や電子メ
ールだけでは、支払い遅延などの問題発生時におけるペナルティなどの決まり
ごとがない。
電子メールでの注文に請求書を発行し、製品の受領書があれば、当然、契約の
存在を証明できるが、当事者があらかじめ取引から派生する様々な問題点の対
処法を話し合い、合意をして、署名をした契約書に勝るものではない。
相手方もこうした点を見越して、支払遅延をしてくる可能性もある。債務者に
とっては、債権者の優先順位が必ず存在し、概して海外の債権者は後回しにさ
れがちである。
さらに、契約書がなければ、優先順位は下がることがあっても、上がることは
ないはずだ。
「今まで、契約書なしでも問題がなかったから大丈夫。」と主張をする企業も
あるが、それはあくまで過去のことであり、未来の取引の安全を担保するもの
ではない。
海外企業との取引に際しては、基本契約書は必ず交わしておきたい。
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