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【 与信管理入門 第43回 「質権」 】 |
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質権とは、債権者が担保として特定の財産を受け取り、債務の弁済があるまでこれを留置する。
留置することで間接的に弁済を強制し、弁済の無い場合は、担保の目的となった財産から優先弁済を受ける担保権のこと。
質権の対象は、不動産、動産、債権などほとんどの財産が対象となるが、実務的には、権利質が中心である。
権利質においてよく利用されるのが、定期預金や上場企業の株式である。
定期預金を質に取る場合の注意点は、預金先の銀行の承諾を取り付けることである。
取引先が、同一銀行で借り入れと定期預金を行っている場合は、定期預金は事実上拘束預金であり、銀行は質入れを間違いなく承諾しない。
したがって、借入のない銀行に対する定期預金を提供してもらうことが大切である。
その上で、取引先と質権設定契約を交わして、定期預金を占有することが必要になる。
なお、株券は電子化されており、以前のように現物を占有することはできなくなった。
しかし、電子化後の口座には保有欄と質権欄があり、株券を質に取る場合は、質権設定者(取引先)の口座の保有欄から、質権者(自社)の口座の質権欄に株式を移動させることで占有する形になる。
ナレッジマネジメントジャパン株式会社
代表取締役 / 与信管理コンサルタント
牧野和彦
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