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【 与信管理入門 第41回 「譲渡担保」 】 |
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譲渡担保には大きく債権譲渡担保と動産譲渡担保がある。債権譲渡担保については、債権譲渡のところで説明したので、ここでは割愛したい。
譲渡担保の物件として不動産を取ることもできるが、所有権が債権者に移転してしまうため、あまり活用されていない。
動産譲渡担保とは、担保の目的物の所有権又は権利を債権者に移転し、債権者が目的物を占有せずに、債務者の手元におかせ無償で使用させる。
担保の原因となった債権が完済されば、債権者は動産を債務者に返却し、債務不履行の場合は、動産を売却することで債権者は債権を回収することができる。
占有の有無が、同じ動産を担保に取る質権との大きな違いである。
質権では、債権者による担保物の占有が必要になる。
また、この点が企業実務上、動産譲渡担保を活用する利点ともなっている。
たとえば、工場のラインや在庫などはメーカーにとっては、業務を遂行する上で欠かせない資産である。
これ債権者に占有されたら、製品を製造することなどできなくなる。
しかし、所有権は移転するものの、そのまま利用できれば業務にも支障がなく、担保としても活用できて、融資などを受けられるのであれば利便性が高くなる。
ナレッジマネジメントジャパン株式会社
代表取締役 / 与信管理コンサルタント
牧野和彦 |
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