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【 与信管理入門 第38回 「会社更生法」 】 |
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会社更生法とは、経営困難ではあるが再建の見込みのある会社について、事業の維持や更生を目的として行われる再建型の法的手続である。
破産や民事再生法と違い、株式会社だけが対象となる。
どちらかと言えば、大企業向けの再建手続きで、基本的に現経営陣は退陣させられ、裁判所から任命された管財人が経営権を持つ。
株式会社は、支払い不能や債務超過のおそれがあるとき、あるいは、弁済期にある債務を弁済すると、事業の継続に著しい支障をきたすおそれのあるときに会社更生法を申し立てることができる。
更生手続開始の申し立てがあると、裁判所は再建の見込みがあるかどうかを調査する。裁判所が再建の見込みがあると判断すれば、更生手続開始決定がされる。
会社更生法では、抵当権・質権といった担保権は更生担保権となり、更生手続開始後は更生手続きによらなければ弁済できなくなる。つまり、担保を有する債権者は担保権の実行ができない。
また、一般の債権は更生債権となり、やはり、更生手続きによらなければ弁済できなくなる。
更生計画案の提出時期は更生手続開始決定の日から1年以内、弁済期間の上限は15年。一般的には1〜2年が多い。
更生計画案の可決要件は、更生債権者(無担保債権者)の議決権総額2分の1以上、更生担保権者の議決権総額4分の3以上(期限猶予の場合は3分の2以上)。
管轄裁判所は本店所在地の地裁以外に東京地裁・大阪地裁も選択可能である。
2008年から経営責任のない取締役を管財人に選任できるDIP型と呼ばれる手続きも導入された。
ナレッジマネジメントジャパン株式会社
代表取締役 / 与信管理コンサルタント
牧野和彦 |
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