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【 海外与信管理入門 第41回 「不良債権の損金処理」】 |
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不良債権は税務上必ずしも、損金として処理できるわけではない。一定の要件
を満たしていなければ、損金処理できない。
仮に、損金処理できれば、利益の出ている会社の場合、税金がその分少なくな
る。理論的には、不良債権の4割相当の税金を支払わずに済んだことで、間接
的に回収できたみなすこともできる。
一定の要件といっても、1冊の本が書けるほど複雑で多岐にわたる。また、税
務当局側の最終的な判断は、極めて属人的でもある。
ただし、取引先が法的整理を行っていて、裁判所や管財人から通知が届いてい
る場合は、ほとんど、損金処理できると考えてよいだろう。
反対に、難しいのが、私的整理の場合である。日米などの先進国では法的整理
が倒産に占める比率は8割以上ある。ところが、世界の成長センターとも呼ぶ
べき新興国では、ほとんどが私的整理である。
また、日本などのように商業登記が整備されていれば、公的な資料として倒産
を証明することができる。しかし、こうした新興国では、整備されていないこ
とが多い。
仮に、整備されていても、倒産後に日本でいう所の閉鎖登記までおこなってい
るかとなると、その可能性は極めて低いと言わざるを得ない。
こうした場合には、現地での調査や資料を集めて、国税庁や税務署が納得でき
る報告書を作成しておくことになる。もちろん、これは自社で担当者が行えば
よいことなのだが、客観性ということでは、第三者を活用することも一つの選
択肢である。
しかし、いわゆる一般的な信用調査会社の信用調査レポートでは、税務当局が
損金算入を認めないことが多い。
なぜなら倒産に関する記述が1行程度でかつ、下記のような曖昧な表現である
ことが多いからだ。
・out of business
・ceased its operations
・dormant concern
その点、当社で提供している「回収不能証明書」は債権債務の事実関係を調査
し、債権の回収可能性にだけ焦点を当ててまとめたものであるため、損金処理
できる可能性が高い。
「回収不能証明書」
http://www.kmjpn.com/cnc_writeoff.htm
これは、第三者として、取引先の実質的な倒産を裏付ける調査及び資料収集を
行い、調査報告書にまとめるというサービスだ。
証明書といっても、公的なものではないが、これまでの実績で9割超は損金処
理に成功している。
ちなみに、作成には2か月前後かかるので、2012年度末での処理を目指すの
であれば、早めに見積もりを依頼していただくとよいだろう。例年、年明けは
依頼が重なり、対応できないこともあるからだ。
海外与信管理入門(完)
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