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【 海外与信管理入門 第40回 「海外の取引先が倒産したら2」】 |
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裁判所が関与する法的整理と違い、私的整理の場合、債権回収は早い者勝ちである。
まずは、倒産の事実を確認することが重要である。倒産とは名ばかりで、
実際には細々と業務を続けているケースなどもある。
債務者と交渉をして回収することが基本だが、緊急を要する場合には
自社製品の引き揚げを直ちに実行しなければならない。
ここで気にしなくてはならないのが、詐害行為や取引の否認ではなく、窃盗罪である。
詐害行為や否認は民事だが、窃盗は刑事であるため、最悪の場合、
当局に担当者が拘留される可能性もある。
また、倒産するような債務者、しかも私的整理の場合、詐害行為や
否認権を追求するケースは極めてまれだ。
各国の法律による違いもあるが、基本的には相手側の承諾を取ることが前提になる。
このあたりは国内で行う自社製品の引き揚げ以上に気を使うべきだ。
特に中国では要注意である。
交渉による回収、自社製品の引き揚げができない場合は、あきらめるのが賢明であろう。
無論、訴訟を起こして債務名義を取得して、債務者の財産を強制執行することも可能だが、
対象となる資産がないことがほとんどだ。
めぼしい資産がない企業でも、業務を継続していれば売掛金は発生するから、
それを差し押さえるのが、常套手段だが、既に銀行や現地の仕入れ先に
先を越されていることも多い。
あるいは、銀行口座の差し押さえもよく行われるが、これも先を越されている可能性が高い。
倒産を知ってから訴訟を起こしていては、とても現地の債権者には勝てない。
そういう意味では、平時から、強制執行認諾の文言付き公正証書や
債権譲渡通知の準備をしておき、有事に備えることが大切である。
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