与信管理入門 第30回 「債権譲渡による回収」 | 与信管理総合研究所 ナレッジマネジメントジャパン
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与信管理とは〜「与信管理入門」

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与信管理入門 第30回 「債権譲渡による回収」
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前回は、手形ジャンプに応じる場合の債権保全策として、不動産の抵当権設定について解説した。

今回は、債権の譲渡担保について説明する。

その前に、債権譲渡による回収について確認しておこう。

自社の債権が回収できない場合、あるいは、その可能性が高くなった場合に、債権譲渡による回収が考えられる。

不動産などの資産を持たない顧客でも、取引から発生する売掛金は持っている。
この売掛金を自社に譲渡してもらう。債権譲渡することで、延滞している債権の支払に代えるのである。

債権譲渡が成立すると、顧客の顧客(第三債務者と呼ぶ)は、譲渡人である自社に売掛金を支払うことになる。

こうした債権譲渡による回収は、よく行われており、信用不安などが高じると、同一債権を複数の債権者に譲渡する二重譲渡や三重譲渡などが行われることもある。

債務者も、資金繰り難などから当事者意識をなくし、悪いと思いながらも、債権者に言われるがままに譲渡することがあるからだ。

同一の債権に対する債権譲渡が競合する場合は、早い者勝ちである。
正確に言えば、第三者対抗要件をいち早く備えてもの勝ちである。

同じ日であれば、時間が争われる。

第三者対抗要件を備える方法は、主に3つある。

(1)債務者から第三債務者に通知する
(2)債権譲渡に関する第三債務者の同意を得る
(3)債権譲渡登記をする

(1)は、通常、証拠力の高い内容証明郵便で行い、配達証明をつけて、速達で行う。内容証明郵便で郵便局が押す印は確定日付となる。

(2)確定日付を取得するために、第三債務者の同意を公正証書にする。

(3)債権譲渡の登記は、東京法務局の中野出張所が、全国の債権譲渡登記に関する事務を取り扱っている。オンラインによる申請も可能である。

また、債権譲渡登記で対抗できるのは第三者であり、第三債務者に対しては、登記事項証明書を交付する必要がある。

ナレッジマネジメントジャパン株式会社
代表取締役 / 与信管理コンサルタント 
牧野和彦
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