---------------------------------------------------------------------- |
与信管理入門 第18回 営業活動によるキャッシュフロー2 |
---------------------------------------------------------------------- |
間接法による営業活動によるキャッシュフローの場合、税引き前当期純利益から始まり、実際のキャッシュの出入りに伴い、調整を行っていく。
前回は減価償却費について書いた。今回は、売上債権、仕入債務、棚卸資産について書こう。
間接法の営業活動によるキャッシュフローでは、売上債権の増加分は差し引き、仕入債務の増加は足し戻すことになる。
なぜなら、売上債権が増加すると、その分売上は増えて税引前当期利益も増える。
しかし、実際には売上を計上しただけで、キャッシュは回収するまで入金されない。
したがって、売上債権増加分を税引き前当期利益から差し引く。
仕入債務が増加すると、売上原価が増えて税引前当期利益も減少する。
しかし、実際には買掛金として計上しただけで、キャッシュは支払期日まで出ていかない。
したがって、仕入債務増加分を税引き前当期利益に足し戻す。
また、棚卸資産が増加すると、在庫を認識することで売上原価が下がり、税引前当期利益は増える。
しかし、実際には在庫認識ではキャッシュは増えない。
したがって、棚卸資産増加分を税引き前当期利益から差し引く
これ以外の科目についても同様の考えが当てはめられる。
減価償却費と同じように、キャッシュの出入りを伴わない有価証券評価損や退職給与引当金の増加は、営業活動キャッシュフローにおいて差し引くことになる。
また、受取利息や支払利息は、営業活動によるキャッシュフローの小計の後に現金主義で計算した金額を記載する。
さらに、固定資産の売却益や投資有価証券の売却益などは、特別利益として税引前当期利益を増加させているが、投資活動に関わるものである。
一度、営業活動によるキャッシュフローでマイナスしてから、投資活動によるキャッシュフローの部に現金主義で計算した金額を記載する。
ナレッジマネジメントジャパン株式会社
代表取締役 / 与信管理コンサルタント
牧野和彦
|
---------------------------------------------------------------------- |