与信管理入門 第11回 定量分析 | 与信管理総合研究所 ナレッジマネジメントジャパン
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与信管理とは〜「与信管理入門」

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与信管理入門 第11回 定量分析
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以前に説明したように定量分析とは、財務比率分析のことである。

財務比率分析は、実に多種多様で200種類以上あるし、毎年新しい指標が生み出されている。

その中でも一般的な財務比率をここでは解説する。定量分析では、次の5つの観点から分析することが多い。

1.安全性
2.効率性
3.収益性
4.成長性
5.生産性

1.安全性

安全性の分析は支払分析とも呼ばれ、企業の支払能力を分析する指標である。


代表的な安全性の分析指標は下記の4つの比率。

(1)流動比率
(2)当座比率
(3)自己資本比率
(4)固定比率

(1)流動比率


流動比率は、B/S上の流動負債に対する流動資産の割合を見る指標。

1年以内に支払期限の到来する負債を支払うのに、どれだけ流動性の高い資産を企業が有しているかを見る。

流動資産には棚卸資産が含まれるので、不良在庫を大量に抱えている企業の分析では、実態を的確に反映していない可能性もある。

一般的に200%以上が望ましいと言われているが、実際は150%以上もあれば悪くない。100%を下回るようだとリスクが高い。

<計算式>
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

(2)当座比率

当座比率は、流動比率よりも厳しい安全性の分析指標。流動比率では、流動資産を使用するが、当座比率では当座資産を使用する。

当座資産とは、流動資産の中でもより現金性の高い資産で、具体的には、現預金・有価証券・売掛金・受取手形等を指す。

当座比率を見れば、1年以内に支払期限の到来する負債を払うのに、どれだけ現金性の高い資産を有しているかが分かる。

一般的に100%以上が望ましい。

<計算式>
当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100

(3)自己資本比率

自己資本とは、平たく言えば返済の必要がないお金のこと。その自己資本が総資本に占める割合を計算したのが自己資本比率。

企業の健全性を計るのに使われる指標で、数字が大きいほど企業としての安全性は高くなる。

なお、B/S上では、自己資本という科目や項目はない。

純資産から新株予約権、少数株主持分を差し引いた金額が自己資本に相当する。

一般的には、自己資本比率が30〜40%以上あれば安全である。50%を超えているとかなり安全と言える。

<計算式>
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100
自己資本 = 純資産 - 新株予約権 - 少数株主持分

(4)固定比率

固定資産と自己資本の関係を見た指標。

土地や建物など、長期に資金が固定される資産への投資を、返済の必要のない自己資本の範囲内で行っているかどうかが分かる。

固定資産は、回収期間が長期に渡る資産なので、返済の必要のない資本で投資するのが望ましい。

固定比率は、100%以下が望ましいと言われるが、実際には、設備投資の大きい製造業などでは固定比率はもっと高くなる傾向がある。

<計算式>
固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100


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代表取締役 / 与信管理コンサルタント
牧野和彦
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