2006年07月27日

成熟産業における敵対的買収

王子製紙が北越製紙に仕掛けたTOB(株式公開買い付け)が話題を呼んでいる。

北越製紙が三菱商事による第三者割り当て増資と、資本・業務提携を発表した矢先
だった。王子製紙のTOBは、まさに北越製紙に対する敵対的な買収を意味する。

新興企業が中心だった日本企業のM&Aにおける資本の論理が、成熟産業にも波及
してきた証拠だ。 

製紙業界の再編も含めて、買収合戦の行方が日本企業に与える影響はライブドアや
村上ファンドの比ではないかもしれない。

投稿者 Makino : 20:04 | コメント (0)

2006年04月22日

阪神株買収の意外な結末

阪急ホールディングスは、村上フアンド保有する阪神電気鉄道の45%超の株式をTOBにより買い取る方針を決定した。複数のメディアが22日に報じた。

阪急側と村上ファンドの価格面での折り合いがつけば、阪急Hは来週にも取締役会でTOBを正式決議する見通し。

タイガースファンを不評を買った村上ファンドの阪神株を巡る騒動は、同業者による買収と言う極めて合理的ではあるが、意外な結末を迎えることとなった。

阪急Hは、阪神株を買収後も経営統合はせずに、現在の事業体制を維持する予定。熱狂的なタイガースファンを意識した戦略と見られる。


投稿者 Makino : 11:46 | コメント (0)

2006年02月27日

敵対的買収断念、ドン・キホーテ

ドン・キホーテは24日、過半数取得を目指し推し進めていたオリジン東秀の敵対的買収を断念し、オリジン株の発行済み47・82%にあたる保有株式全てをイオンに売却すると発表した。

オリジン株の売却額は261億円で、ドン・キホーテと同社の安田会長個人にそれぞれ、57億円、8億円の譲渡益が発生する。

オリジン株へのTOB失敗直後に、市場で同社株を3割超買い増した同社の買収手法は、違法ではないが、信義則に反するなど批判が高かった。こうした批判による企業イメージの悪化を防ぐために、買収を断念し、イオン側との和解に応じたものと見られる。

今回の一連の騒動で、日本のM&Aに関する法制度やルールの未成熟さがまた浮き彫りになった。同時に、株式を公開している経営者は、株式を公開することの意味を再認識し、株主の価値を毀損しない範囲で買収防衛策を検討する必要がある。

投稿者 Makino : 12:33 | コメント (0)

2006年02月16日

オリジン東秀を巡る買収劇、M&Aに新たな問題提起

ドン・キホーテは15日、TOBに失敗したオリジン東秀の株式を市場で追加取得し、発行済株式の46.21%を保有していると発表。また、同社は今後も株を51%程度まで買い増し、過半数の株式取得を目指す予定。

同社は先月、オリジン東秀株の30.92%を取得後、TOB(株式公開買い付け)を実施したが、応募が1件だけであったことから、TOBを断念すると発表していた。

これを受けて、オリジン東秀は「ドン・キホーテの一連の行為は、証券取引法に違反するか、ないしは同法の改正作業中の不備をつく著しく不適切な行為である」とのコメントを発表。

通常の市場取引を通じて株式の保有率が3分の1を超えても、証券取引法上の問題はない。しかし、同社の行為は違法ではないが、信義則に反するのではないかとの声が上がっている。

こうした混乱を嫌気して、16日の東京株式市場で両社の株は一時ストップ安となった。

日本のM&Aの法制上の不備を突いた今回の騒動は、現行法の在り方に問題起することになるだろう。

投稿者 Makino : 19:14 | コメント (0)

2005年10月15日

TBS、上場廃止を検討~正しい株主とは?

TBSは14日、究極の防衛策としての経営の独立性を維持するために、上場廃止も検討することを明らかにした。

村上氏は8月の時点で既に、経営陣によるMBOをTBSに提案していたが、その時点では、提案は拒否されていた。

しかし、村上ファンドに7.45%、楽天に15.46%の株式を瞬く間に取得されてしまい、敵対的買収が現実化する可能性が出てきために、経営陣は考え方を改めたようだ。

一方、当の村上氏は今回の一連の騒動でTBSの株価が高くなりすぎたために、MBOは現実的ではないとコメントし始めた。

また、楽天との連携については否定しつつも、投資家の利益を優先するために値段次第では売却する可能性があることを認めた。

一方、TBSの労組は「楽天がTBSの筆頭株主になったことについて」と題した声明文で、事業の公共性を理由に「我々はTBSの存在意義を理解している正しい株主を望んでいる」と的外れなコメントを発表した。

一体、「正しい株主」とは何のことなのか?

株主には正しい株主も、間違った株主もいない。株式投資は正義でもなければ、社会貢献でもない。経済活動であり、資本を投下して利益を得る活動であり、マネーゲームなのだ。

TBSの労組幹部は、株式投資や株式の上場について勉強しなおしたほうが良いのでは?

確かに公共性という放送事業の特質はあるにせよ、「公開企業は株主を選べない」のは当然である。

したがって、ニッポン放送とフジテレビと同じで、そのリスクを今までに真剣に分析せずに、放置してきたTBSの経営陣が甘いといわざるを得ない。

投稿者 Makino : 16:16 | コメント (0)

2005年10月14日

楽天、TBSに経営統合を提案

楽天がTBSの筆頭株主に浮上したとのニュースが国内外で話題を呼んでいる。

楽天及び楽天の子会社は、TBSの発行済み株式の15.46%を取得し、持株会社方式による経営統合を提案した。
楽天はTBSの株式取得に880億円を投じた様子。

三木谷社長は、記者会見で放送事業とインターネットの融合により、日本初の世界に通用するメディアグループを目指すと説明した。

持株会社方式を選択した理由については、TBSと楽天のブランド価値を最大限に活かしつつ、統合のメリットを享受しようという意図がある。

TBS側は突然の株式大量取得及び統合提案に不快感を示しつつ、筆頭株主からの提案には真摯に検討すると述べ、慎重な姿勢を示している。

TBSの株式については、村上ファンドも7%超を取得済みであることが分かっている。楽天は、村上ファンドとの連携は全くないと関係を否定した。

今日、発表される大量保有報告書で村上ファンドの正確な取得比率は明らかになる。

確かに、地道な成長戦略よりも事業買収による規模拡大がもてはやされている。日本の企業経営も米国流に近づいてきた証拠だ。

しかし、ネット関連の本業は絶好調ながらも、楽天も随分大きな賭けに出たなと言う印象である。

投稿者 Makino : 19:24 | コメント (0)

2005年10月13日

楽天、TBSの筆頭株主に

複数の新聞の報道によれば、楽天はTBSの発行済み株式数の15~16%を取得し、筆頭株主になったことが明らかになった。

また、楽天はTBSにインターネットと放送の融合に関して業務提携を申し入れ、同時に増資などを通じてTBSへの出資比率を30%程度まで高めたいとの要望も伝えた。

TBSについては12日、村上ファンドが5%超を保有し、大株主に浮上したことが判明したばかり。それ以前は、4%強を保有する日本生命が筆頭株主だった。

村上ファンドは同時に、経営陣によるMBOをTBSに提案したが、拒否された。

村上ファンドの実質的な保有率は、14日に開示される大量保有報告書で明らかになる。

時を同じくして、買収の標的にされた格好のTBSだが、決して偶然の一致ではない。

同社は、赤坂の一等地に本社を構え、上場優良会社の株式や現金を大量に保有しているが、こうした優良資産に比べると時価総額が安いと以前から指摘されていた。

TBSの時価総額は約6136億円だが、現預金で520億円、東京エレクトロンなどの有価証券が1316億円、赤坂の本社など一等地の資産を有している。

ライブドアとフジテレビの攻防戦で一番危機感を持ったのは、TBSではなかっただろうか。同社は、今春から第三者割当増資などを通じて、安定株主を増やす買収防衛策を行ってきた。

年初のニッポン放送の経営権を巡るライブドアに始まり、失敗はしたが夢真の日本技術開発に対するTOB、そして村上ファンドが阪神電鉄の筆頭株主に突如浮上。そして、今回のTBSへの村上ファンドと楽天の増資である。

2005年は、まさに日本の敵対的買収元年と呼ぶにふさわしい年となったが、経営者の中にも成長戦略の一環としてM&Aを位置づける人が増え、その方法としてTOBを挙げる人が多くなったようである。

投稿者 Makino : 19:22 | コメント (0)