2006年11月09日

連帯保証の必要性

10月28日付の日経新聞によれば、経済産業省は公庫の融資に際して、条件付で
経営者本人の連帯保証を不要とする融資制度を来春にも導入する方針。

条件とは、四半期ごとに財務諸表を提出すること。当然、そのためには四半期
決算を行うことになる。

金利も貸倒れリスクが上乗せされるため、通常の融資よりも0.2~0.3%高くなるが、
万が一、会社が倒産しても経営者は私財を没収される可能性が低くなる。

通常、中小企業では四半期決算を行っていないところがほとんど。その手間に加えて利息の上乗せによるコスト増を考えると、どれだけ多くの中小経営者が利用するのかは未知数。 

欧米ではこうしたノンリコース(遡及しない)型のローンが一般的だが、長期的には日本でも主流になっていくと思われる。

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2006年08月22日

紀陽銀行、公的資金申請へ

本日付の日経新聞の一面には、紀陽銀行の公的資金申請に関する記事が掲載
されていた。 

公的資金が200~300億円注入されることで、紀陽銀行の自己資本は増強され、
懸念の不良債権処理を一気に進めることが可能になる。

2006年3月期の同行の自己資本比率、不良債権比率はそれぞれ、8.64%、7.39%
となっており、自己資本比率は地銀平均レベルだが、不良債権比率が地銀平均の
4.5%を上回っていた。

紀陽銀行の申請が認定されれば、金融機能強化法に基づく公的資金の予防注入で
は初のケースになる。

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2006年07月07日

上限金利20%で合意

7月6日付の日経新聞によれば、自民党の金融調査会と「貸金業制度等に関する小委員会」は5日の合同会議で貸金業規制法の改正案に盛り込む上限金利を年20%に引き下げることで大筋合意した。

上限金利引下げに対する反対意見も根強かったようだが、基本的な合意がなされて、上限金利引下げの可能性が確実になった。

一部のカード会社やノンバンクなどでは、法改正を先取りする形で貸付金利を引き下げるところも出てきている。

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2006年06月23日

金融庁の保険会社に対する厳重な行政処分

金融庁は21日、三井住友海上火災保険が、幅広い保険商品で不当な保険金の不払いを行っていたとして、新規の損害保険契約の販売を全店舗で2週間にわたり停止とした。

更には、第3分野の保険の新規契約を7月10日から無期限で停止、新商品の開発、販売認可も22日から1年間停止するなど、保険会社に対する行政処分としては前例のない厳しい内容となった。

同社は2005年秋、社内調査で27,000件、19億円分の不適切な保険金不払いがあったと発表したが、その後の金融庁の検査で、新たに17,000件、7億円分の不当な不払いが判明していた。

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2006年06月15日

電子債権市場を管理する第三者機関

6月14日付日経新聞によれば、金融庁は「電子債権市場」の創設にあわせて、債権に関する金額や権利関係を一元的に管理する第三者機関の設置を検討している。

電子債権については、別途法務省が法制審議会を開き、法制度の準備を進めている。金融庁は、決済インフラの面から債権の権利者、金額、支払期日など債権情報を管理する第三者機関「電子債権管理機関」を設置することで、二重譲渡などのトラブルを防止できると見ている。

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2006年06月08日

金融商品取引法成立の影響

金融商品取引法が7日、参議院において賛成多数で可決され成立した。緊急性の高い法案から順次施行されていく。

同法案は、投資ファンドに対する規制を強化した点が特徴。規制の対象外で法の抜け穴となりがちだった任意組合や匿名組合も、今後は各当局に登録・届出が必要になり、実態が把握しやすくなる。

一方、罰則も強化される。西武鉄道やライブドア事件で問題となった、風説の流布や有価証券報告書の虚偽記載に対する懲役の上限が、最長5年から10年に倍増される。

また、日本版SOX法ともいわれる同法では、上場企業に対して四半期業績の開示が義務付けられる他、内部統制の整備も求められる。

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2006年06月06日

商工中金、輸入ワインに担保設定

商工中金は5月31日、東京のワイン輸入業者に対する融資の担保として、輸入ワインに担保を設定したと発表した。極度額は5千万円。

プレスリリース

輸入ワインは前払いでの決済が主流で、輸入業者の資金負担が重い。一方、ワインの流通価格は安定しており、資産価値があると判断した。

2005年より公示制度が確立した動産担保を活用した新型の融資である。

更に、興味深いのは商工中金が設定したCovenants(契約遵守条項)である。一般的な財務制限条項ではなく、債務者の業況や在庫の報告について義務を貸した点。

一般的には、自己資本比率、流動比率の悪化などで発動される条項だが、今回の融資では、報告義務を怠ると経営者は本債務の連帯保証を負うことになる。

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2006年04月28日

三井住友銀行に業務停止命令、独禁法違反で

金融庁は27日、三井住友銀行に対して一部の業務について半年間の業務停止命令を出した。

同行が昨年12月に独占禁止法違反で、公正取引委員会から排除勧告を受けたことに対する処分。

停止される業務は、デリバティブ、金利スワップなどの金融派生商品の新規販売で、法人営業部の新設も一年間停止された。

銀行が独禁法違反で業務停止命令を受けたのは今回が初めてのケース。

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2006年04月26日

金融庁、みずほ銀行に業務改善命令

金融庁は25日、みずほ銀行に対して銀行法に基づく業務改善命令を出した。

昨年、同行新宿西口支店の課長クラスの元行員が、詐欺グループに対して同行の顧客情報1200件を渡していたが発覚したことによる。

金融庁は、同行の個人情報管理の社内規定の未整備、従業員監督体制の不備を指摘した。

大手銀行に対して、個人情報保護法に基づく是正勧告が発令されたのは、今回が初のケース。

投稿者 Makino : 17:33 | コメント (0)

2006年04月20日

独立行政法人の信用リスク

4月16日付けの日経新聞によれば、りそなホールディングスは、独立行政法人である日本スポーツ振興センターに対する融資の引き上げを検討し始めた。

同センターが運営するサッカーくじ、totoは売上が低迷しており、銀行融資の返済が延滞している。

遅延損害金を入れた請求金額は270億円にも上る見通し。

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2006年04月17日

出資法上限金利廃止の議論

金融庁が主催する「貸金業制度等に関する懇談会」の第15回が4月7日に開催された。

討論の詳細はこちら

当懇談会では、社会問題化する多重債務者の増加をいかに防止するかという観点で議論が行われている。

一方では、信用リスクの高い個人や中小企業に対する融資のニーズが存在することから、金融仲介機能としての役割を担っているとの指摘も出ている。

過剰貸付、多重債務を防止するために量的規制の導入の是非、業界を超えた信用情報データベースの構築、強引な取立てに対する規制、連帯保証人に対する説明義務の強化、消費者における教育の実施、カウンセリングの必要性などが議論された。

特に、関心の高まっているグレーゾーン金利については、出資法の上限金利を廃止すべきとの意見が多数を占めた。一方では、高金利での融資ニーズがある以上、法的制限を設ければ、ヤミ金融などの違法な貸金業者を助長させるとの意見もあった。

懇談会は引き続き継続されるが、早ければ秋の臨時国会には議員立法でグレーゾーン金利の廃止が提出される可能性もある。

投稿者 Makino : 11:04 | コメント (0)

2006年04月14日

アイフルに対する業務停止命令

近畿財務局は14日午後、消費者金融大手のアイフルの全店舗に対して、業務停止命令を発動したと発表した。

同社が無断での委任状作成、強引な回収を行ったなど貸金業法に違反する行為が多数だったことが原因。

特に、違反の顕著だった北海道と長崎の店舗は5月8日から25日、20日の業務停止で、他の店舗は全て3日間の業務停止となる。

個人の自己破産件数が急増する中、多重債務問題が社会問題化していることに対する監督官庁の一つの回答だといえる。

利息制限法を上回る利息に対する返還請求の増加と相まって、消費者金融を取り巻く環境は厳しさを増している。

投稿者 Makino : 19:04 | コメント (0)

2006年04月11日

商品在庫の担保価値の評価

4月8日付の日経新聞によれば、りそな銀行は、商品在庫を担保とした融資を開始する。

在庫や機械設備などの動産を担保に取ることは、以前から可能であったが、第三者に対する対抗要件がなく、二重譲渡など担保管理上の問題があった。

ところが、2005年10月から公示制度が創設され、第三者対抗要件の具備が容易になったことから、各金融機関も融資する際の担保として活用するようになった。

本件が特に新規性が高い点は、ディスカウントストアのドン・キホーテと組み、在庫の評価、処分をシステム化した点にある。

ドン・キホーテが在庫の評価のみならず、処分までするため、金融機関としても担保価値が明確なため、融資しやすい。

更に、買取保証までつけば、一般の債権者にとってもかなり利便性の高いサービスとなる。

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2006年04月04日

商工中金、豚を担保に融資

3月29日付の日経新聞によれば、商工中金は豚一万頭を担保に2億円の融資を実行した。

動産担保の登記制度は、昨年創設されたが、動物を担保に融資するのは、これが初めてのケースではないだろうか。

ICタグを活用して豚を飼育しており、正確な在庫管理ができるために、担保設定が可能となった。

融資先は、秋田県の十和田湖高原ファームで、飼料の仕入れ代金として使われる。

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2006年03月24日

電子債権取引市場の創設

3月24日付の日経新聞によれば、電子的な債権取引が早ければ2008年にも実現する。

政府は「電子債権法案」を2007年の通常国会に提出する可能性があり、銀行などの金融機関、クレジット、リース会社にも電子債権市場への参加を呼びかける。

電子債権取引が実現すると、従来、債権譲渡契約や登記により行われていた債権譲渡をデータベース上で完結することになる。

これにより、175兆円とも言われる日本企業の売上債権が流動化し、資金調達の手段が多様化するのは間違いない。

一方では、債権回収における債権譲渡の活用範囲も広がるのではないかと期待される。

現行では登記や第三債務者への通知が、第三者に対する対抗要件となっている。電子債権取引市場における登録や名義変更がこれに取って代わるものになるかなどは現段階では明確にされていない。

投稿者 Makino : 10:15 | コメント (0)

2006年03月20日

連帯保証廃止の動き

3月20日付日経新聞によれば、経産省は信用保証協会が行う信用保証制度における連帯保証の義務付けを廃止する方針を決定した。

金融機関が中小企業に融資する場合、信用保証制度を活用することが多い。信用保証協会は、支払の人的担保として、第三者の連帯保証を請求するケースが全体の2、3割ある。

しかし、経営破たんに際して、家族や知人にまで負担が圧し掛かり、かえって中小企業の再生が難しくなると判断した。

今回、廃止されるのが第三者の連帯保証だけなのか、経営者本人の連帯保証も含むのが記事だけからは明確ではない。

いずれにせよ、融資や与信に際して、「まず連帯保証ありき」と言う考えが日本独特の商習慣である。こうした融資制度が、日本の起業率を低くしている要因であることは間違いない。

経営者としては歓迎すべき動きだが、与信管理においては、債権者の与信管理能力がますます求められるようになる。

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2006年03月13日

金融商取法案が粉飾決算に与える影響


3月11日付日経新聞によれば、金融商品取引法(投資サービス法)が10日、閣議決定された。首尾よく今国会で成立すれば、2007年の施行の可能性もある。

従来、銀行法、証券取引法、保険業法などに分かれていた金融商品の販売ルールを、金融商品取引法においては、一元化して規定した法律となる。

複雑多岐にわたる各金融商品のリスクを事前に徹底して告知することにより、投資家や消費者を保護しようと言うのが、立法の趣旨である。

しかし、与信管理の観点ではむしろ次の2点に注目したい。

(1)違反業者への罰則の強化

有価証券報告書の虚偽記載などの証券取引法違反による刑事罰は最高懲役5年であるが、2倍の10年に引き上げる。

被害者の証明責任が軽減されるので、損害賠償の訴訟が起こしやすくなる

(2)上場企業への四半期決算の開示義務付け

新法施行後は、上場企業は四半期決算を開示する必要がある。また、有価証券報告書については、経営者自らが確認、署名する仕組みとなる。

この2点を見ただけでも、新法が上場企業における粉飾決算を抑止する効果はかなり高いのではないかと推察される。

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2006年03月10日

金融庁、JPモルガンを業務停止命令

金融庁は9日、JPモルガン証券東京支店を証券取引法違反で、2週間程度の一部業務停止命令を出すことを決定した。

証券取引等監視委員会は、同証券が株式市場に大量の注文を出し、作為的に相場を動かしたとして、金融庁に対して行政処分を勧告していた。

JPモルガンは、2003年にも業務停止命令を受けており、抜本的なコンプライアンス体制の整備が早急に求められる。

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2006年03月09日

日銀、量的緩和策解除を決定

日銀は9日、金融政策決定会合で金融の量的緩和策を解除することを決定した。

約5年間にわたり続けてきた量的緩和策を解除するということは、日本経済はデフレを脱却し、本格的に回復軌道に乗ったことを示唆している。

日本企業の業績回復は本物であり、最高益を更新する企業も多い。個人の消費動向を見ても購買意欲は高く、都心の一部では優良物件の価格が軒並み上昇しており、バブルの再来を懸念する声もあるほどだ。

2000年8月のゼロ金利解除のときのような、景気に悪影響を及ぼすことにはならないのではないか。

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2006年03月08日

貸金業者に対する規制、金融庁が強化

3月8日付の日経新聞によれば、金融庁は消費者金融などの貸金業者に対する規制を大幅に見直し、強化する。

過剰貸付に関して、明確な指針を提示すると共に、禁止行為全般に対して「業務改善命令」を発動できるようにする。

具体的に下記などを過剰貸付の禁止行為と定めた。

1)顧客の要請なく貸付限度額を引き上げてはならない
2)担保付融資における債務者の返済能力の調査義務
3)保証人の返済能力の調査及び書面記録義務
4)債務額の維持要請

2004年度に金融庁、各都道府県に寄せられた、貸金業者の法令違反に関する苦情は24,000件超もあった。

しかし、実際に出された処分は1,612件のみで、金融庁が出したものは8件しかなかった。

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2006年02月22日

信用保証業務、銀行系ノンバンクに解禁

2月22日付けの日経新聞によれば、金融庁は銀行系のノンバンクに対して、法人向け融資の保障業務を解禁する意向。

傘下のノンバンクが保証することで、都銀などが中小企業や個人事業主向けの融資を積極的に行うことを目的としている。

現行の規制では、信用保証は信用保証協会や、独立系の消費者金融など、銀行の出資比率が5%未満のノンバンクに限定されているが、この出資制限を緩和する。

一般的に、零細企業や個人の与信ノウハウについては、銀行よりも消費者金融などのノンバンクが豊富だと言われているが、昨今では消費者金融も軒並み貸し倒れが増加傾向にある。

先月、上限金利に関する最高裁の判決も消費者金融の業績に大きな影響を及ぼす公算が高く、保証業務は一つの収益源になる可能性もある。

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2006年02月09日

信託法改正要綱、決定

2月9日付日経新聞の報道によれば、法務省の諮問機関である法制審議会の信託法部会は8日、信託法の改正要綱案を杉浦法相に答申した。

先日報道された「事業信託」「信託宣言」に加えて、「目的信託」も盛り込まれた様子。目的信託とは、財産の使途だけを指定して信託することで、具体的な使い方は信託会社に委ねられる。

「事業信託」とは、企業の事業部門を丸ごと信託することで、資産だけでなく、負債もあわせて信託できる点がこれまでと大きく違う。

「信託宣言」とは、企業や個人が財産を自らに信託することを宣言すること。こにれより、一定の要件を満たせば、企業や個人も自分の財産を信託することが可能になり、信託銀行に手数料などを支払う必要もなくなる。

法務省は信託法の改正案を今国会に提出し、来年の夏あたりの施行を目指す。

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2006年02月03日

担保としての利用価値が高まる動産担保

2006年2月3日付け日経新聞によれば、動産担保を活用した融資が拡がりつつある。

みずほ銀行は、ICタグによる在庫管理を活用することで、融資先の在庫をタイムリーかつ適正に評価することができる融資の仕組みを実験中。

在庫回転率の高い商品でも的確に在庫を評価することができ、融資先の担保力を判断することが可能になる。

動産担保については、2005年10月に公示制度が整備され、担保としての利用価値が高まっている。

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2006年01月15日

期限の利益喪失特約におけるみなし弁済の適用

最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)は13日、「特約は事実上の強制で、利息制限法の上限を超える金利分は無効」と、延滞時に債権者が行う一括請求の超過利息を認めない初判断を示した。

金融機関や信販、カード会社、消費者金融、その他の貸金業者は、債務者が延滞したときにいわゆる「期限の利益」を喪失し、残債の支払期限が到来する特約を消費貸借契約に盛り込んでいる。

また、事業会社の売買契約などでも、期限の利益喪失特約は、一般的に使われることが多い。今回の判決は、期限の利益喪失に関する特約を否定するものではない。

むしろ、延滞時の一括請求における「みなし弁済」の適用を否定したものとなっている。

現行法では、利息については、利息制限法と出資法により、2つの異なる上限が存在するという矛盾がある。

<利息制限法の上限金利>

10万円未満 年20%
10万円以上~100万円未満 年18%
100万円以上 年15%

<出資法の上限金利>
29.2%

利息制限法による上限金利を超えていても、一定の条件の満たせば有効な利息の弁済とみなされる、「みなし弁済」規定がある。

<みなし弁済の条件>

(1)貸金業者としての登録
(2)利息と認識した上での支払
(3)債務者の任意の支払
(4)貸金業規正法第17条規定による法定書面の交付
(5)貸金業規正法第18条規定による受取証書の交付

このみなし弁済の規定を活用して、金融機関やノンバンクは利息制限法の上限金利を超える金利で貸付をし、高収益を上げてきた。

今回の判決は、こうした金融機関やノンバンクのビジネスモデルに大きな波紋を投げかける一方で、高金利の多重債務に苦しんできた消費者の救済へ道を開くものとなった。

グレーゾーンで利益を上げてきた全ての金融機関やノンバンクは、契約の見直し、ビジネスモデル自体の再構築を迫られる可能性がある。

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2005年12月28日

電子債権制度の創設

経済産業省、法務省、金融庁は27日、売掛金や手形などの債権を電子化する「電子債権制度」の基本方針を決めた。

現在は、実際の紙の約束手形が流通しているが、これを電子化することで、管理コストを削減するのが目的である。

また、「電子債権管理機関」を創設して、民間企業も業務に参画できるようにする。詳細は28日に発表される予定。

電子化された約束手形や小切手に印紙を貼らなくて良いのかが、企業の最大の関心事のはず。

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2005年12月27日

売掛債権を活用した新型の融資

12月24日付の日経新聞の報道によれば、UFJ銀行は中小企業向けに売掛債権を活用した新型の融資を開発した。

新型の融資は、契約上証券化できない売掛債権を流動化するもので、売掛金の額にあわせて、適切な融資額を算出するシステムが基本となっており、同行はすでに特許を取得済み。

詳細は記事からは分からないが、売掛金担保の融資や証券化を発展させたものと思われる。

つまり、売掛金担保融資や証券化を行うためには、企業は自社の売掛金を担保に入れる、あるいは、譲渡する必要がある。

しかし、中小企業は大企業との契約において、特約条項が入っていて、第三者への債権譲渡ができないことが多い。

売掛債権を担保にも入れず、譲渡もせずに、金額に応じた融資を行うことができる画期的な商品である。

どのようにリスクを算出しているのかが興味深い点である。

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2005年12月23日

金融庁、みずほ証券を処分

金融庁は、みずほ証券を誤発注で処分することを決定した。
また、同様な問題の再発を防ぐべく、全証券会社に一斉点検を要請した。

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2005年12月14日

米改正破産法の矛盾

MSN Moneyによれば、自ら仕掛けた改正破産法の施行が、米のカード会社自らの首を絞める結果となっている。

10月17日の改正破産法施行の2週間前では、約50万件の破産申請があった。平均的な週で3万~3.5万であることを考えれば、8倍近くに激増したことになる。

2005年累計の破産法申請件数は200万件を超えており、前年対比で約5割り増しで、歴代の最高記録である。

格付け機関のフィッチは、今後数ヶ月の大手カード会社の不良債権比率が、3割近くまで悪化する可能性があると予測している。

投稿者 Makino : 11:09 | コメント (0)

2005年12月08日

ヒューザーの融資競争に見る定量分析偏重のリスク

時事通信の報道によれば、地銀や第2地銀が、構造計算書偽造マンションの建築主であるヒューザーに対して、熾烈な融資競争を行っていたことが判明した。

低価格物件を売り物に急成長を遂げていた同社は、2005年3月期で売上121億円に対して、借入総額が89億円となっている。

単純に計算すると、有利子負債月商倍率は8倍近くあり、危険度の目安と言われる4倍の倍近くある。

用地買収のために、借入金に依存せざるを得ないマンション・デベロッパーであることを割り引いても、財務体質は健全とは言えない。

こんな事件を予測することは誰にもできなかったが、定量分析のみが重視されている融資判断に問題があるのではないか。

金融庁が、不良債権処理に喘ぐ金融機関の自己査定に際して求めた債務者区分の弊害がこんなところにも出ている。

投稿者 Makino : 14:49 | コメント (0)

2005年12月03日

公正取引委員会、三井住友銀行に排除勧告

公正取引委員会は2日、独占禁止法違反で三井住友銀行に対して排除勧告を行った。

同行が違反したのは、同法第19条で、不公正な取引方法第14 項、『優越的地位の濫用』第1号に該当すると判断された。

同委員会によれば、同行は融資先に対して金利スワップの購入を提案していたが、金利スワップの購入が融資の条件である旨を明示又は示唆していたという。

排除勧告の詳細はこちら

大手銀行に対する排除勧告は、旧日本興業銀行、旧三菱銀行に続く3件目で、1957年以来、実に48年ぶりとなる。

いわゆる、融資の見返りに対する商品やサービスの購入要請であるが、巷では耳にする話である。これが、独禁法に該当するとなると、他の大手行にも波及する可能性もあるのではないか。

投稿者 Makino : 14:28 | コメント (0)

2005年11月27日

金融庁、損保会社26社に業務改善命令

金融庁は25日、保険金の不払いなどが発覚した損保会社26社に対して、業務改善命令を出した。

業務改善命令の対象となったのは、損保大手を始め、外資系の損保会社26社。

これら26社では、過去3年間で合計約18万件、約84億円の不払いがあったことが調査結果で分かっている。

金融庁は、保険会社の保険の販売から保険金の支払いに至るまで社内体制に構造的な問題があると指摘、管理体制の早急な改善を要請した。

支払い漏れの8割超は、自動車保険に関するもので、個人ユーザーにも影響が大きい。

日本で業務を行う主要な保険会社は、ほぼ全て対象となっていることから、各社個別の問題というよりは、損保業界全体の商習慣に近い位置づけなのではないか。

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2005年11月12日

民営化後の郵政新会社、初代社長は西川・元三井住友銀行頭取

政府は11日、郵政民営化後に発足する「日本郵政株式会社」の初代社長に、三井住友銀行の前頭取である西川善文氏の起用を決めた。

2007年10月に予定されている郵政民営化では、持ち株会社の下に郵便局会社、郵便事業会社、郵便貯金銀行、簡易保険会社の4社がぶら下がる企業グループとなる。

現在の日本郵政公社の総裁である生田氏の処遇は、今のところ明らかにされていないが、民営化にあわせて退任となる可能性が高い。

竹中氏が西川氏を推薦し首相が最終的に決めた。小泉首相が、首相官邸で社長への就任を直接要請し、西川氏も快諾した。

西川氏は会談後の記者会見で「身に余る光栄だ」とコメントした。

西川氏は剛腕バンカーとして知られる金融界の大物であり、この人事からも郵政民営化に対する首相の意気込みが強く伝わってくる。

民営化の郵政と競合する大手銀行は複雑な心境であろう。リテール強化に郵政のネットワークを活用したいと考える一方で、強力なライバルになりうる。

その可能性が西川氏の社長就任でより高くなったわけだ。西川氏の出身である三井住友銀行が最も驚き、今後の対応を図りかねているのではないだろうか。

いずれにしても、日本郵政株式会社には健全な競争を期待したい。

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2005年11月11日

増加基調のDIPファイナンス

11月11日付日経新聞の記事によれば、DIPファイナンスによる融資の累計額が9月末で3千億円となり、増加傾向にある。

大手銀行の中でも、特に注力しているのがみずほグループで実績の大半を占める。

これは恐らく、DIPファイナンスを日本で始めに手がけたのが、富士銀行と日本政策投資銀行だったことによるのではないか。

両行は、2001年に破たんしたフットワークエクスプレスに対してDIPファイナンスを実行した。

DIPファイナンスの増加は、日本でも再生ビジネスが軌道に乗ってきたこと、金融機関が収益力を取り戻し、様々なリスクを積極的に取れるようになったことが大きな要因である。

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2005年11月04日

改正銀行法成立、来春から施行

10月26日、改正銀行法が参院本会議で可決、成立した。2006年4月1日からは、一般の事業会社も銀行代理店となり、金融業務が出来るようになる。

参入には許可が必要で、金融庁が審査を行う。主な条件は以下の通り。

1.代理店業務を遂行する人材などの能力がある
2.数百万程度の純資産を有し、安定した財務基盤がある
3.本業などの他業務が代理店業務に支障を来たす恐れがない

また、代理店業務解禁の対象はあくまで個人向けであり、法人向けは対象外となっている。

代理店では、預金口座の開設や国内外への送金、自動車・住宅ローンなどの仲介ができる。

今回の改正で、スーパーやコンビニ、自動車のディーラー、不動産会社、旅行代理店、証券会社などの銀行の代理店への参入が想定される。

昨今は、銀行の再編により支店の統廃合が多く、銀行の利便性が著しく低下している。消費者にとっては、窓口が多様化され、利便性が高まることで大いに歓迎したい。

投稿者 Makino : 10:53 | コメント (0)

2005年10月28日

経営者の連帯保証不要の融資

10月28日付の日経新聞によれば、東京三菱銀行が2005年5月から、中小企業向けに経営者に担保や連帯保証を求めない、新型融資を行う方針を決定した。

ただし、5月施行予定の新会社法に定める会計参与制度を導入することが条件となっている。

新会社法の与信管理に与える具体的な影響が、融資条件に反映された初のケースといえよう。

日本では2000年ぐらいから、三井住友銀行などが中心となり、中小企業に対する無担保無保証融資を開始した。

しかし、融資条件を詳しく見ると、この「無保証」は第三者の無保証が不要という場合が多かった。

つまり、経営者本人の連帯保証は、当然必要ということである。こうした金融機関の与信管理のあり方は、日本では常識とされてきたが、欧米ではそうでもない。

米国では、ベンチャー企業に融資する場合も、無担保はもちろん、経営者の保証なしで融資するケースが多い。

他にもみずほ銀行は、10月3日に施行された動産譲渡担保の登記制度を活用した融資を企画している。

日本の金融機関における与信管理や審査基準も米国型に移行しつつあるという好例である。

投稿者 Makino : 20:53 | コメント (0)

2005年10月16日

住友信託銀行、ファーストクレジットを買収

住友信託銀行は、2001年に経営破たんしたファーストクレジットを買収する。親会社のローンスターから1300億円で全株式を買い取り、子会社化する。

ファーストクレジットの2001年の破たんは、最大債権者であった新生銀行が同社を実質債務超過だとして、債権者側から会社更生法の適用を申請した特異なケース。

その後、ローンスターが1000億円超で同社を買い取り、更生計画を2003年に完了させていた。

ファーストクレジットは、不動産を担保にしたローンを中小企業向けに提供している。総資産は約1200億円。

同行は手薄だった、利幅の高い中小企業向けの小口融資の分野を拡充したい考え。

投稿者 Makino : 17:13 | コメント (0)

2005年10月10日

和解協議決裂、三菱UFJと住友信託

旧三菱東京FGと旧UFJホールディングスの持ち株会社同士の統合は完了し、新しく「三菱UFJFG」が10月1日よりスタートした。

一方、旧住友信託銀行が、旧UFJホールディングスに対して三菱東京FGとの統合差し止めと損害賠償を求めた訴訟はまだ決着を見せていない。

9月28日に東京地裁で開かれた和解協議も決裂する見通しとなった。

複数の新聞が報じたところによれば、裁判所が和解の目安として提示した50億円を三菱UFJ側は週明けにも正式に拒否する予定。

住友信託銀行が、UFJ信託銀行との統合準備に使った、数億円の実費以上の支払いに応じることは株主の理解を得られないという姿勢を見せている。

一方、住友信託側が求めている損害賠償額は1000億円であり、5%程度の和解には到底応じられないとの見解を示している模様。

投稿者 Makino : 19:59 | コメント (0)

2005年09月29日

クレジットカードの支払遅延比率、米で過去最高

米国の2005年第2四半期のクレジットカードの支払い遅延比率は、過去最高となった。

American Bankers Association(ABA)が28日に発表した。

支払い遅延の比率とは、支払期日を30日以上過ぎている件数が全体に占める割合を指す。

ABAは1973年から統計を取り始めたが、2005年の第1四半期の4.76%が今までの過去最高だったが、第2四半期(4~6月)は4.81%で記録を更新した。

ABAは、車、住宅など個人ローンの支払い遅延件数の増加も指摘している。

原油高を背景に米では、ガソリンが高騰している。昨年末にガソリンを満タンにすると約30.63ドルで済んだが、6月には38.33ドルに急上昇、今では47.78ドルである。

カトリーナの影響も出てくる第3四半期の数字は間違いなく、過去最高を更新するであろう。

投稿者 Makino : 13:49 | コメント (1)

2005年09月01日

マスターカード、株式公開へ

WSJが報じたところによれば、米大手ーカード会社のマスターカードは、
来年初めにも株式を公開することを検討している。

マスターカードは、1400の金融機関が株主となっているが、株式の
49%を公開する予定。IPOについては、ここ数年来の検討事項だった。

マスターカードのIPOは、カード業界に大きな影響を及ぼすと見られて
いる。特に、最大のライバルであるVISAも資本戦略を見直す可能性が
ある。

マスターカードの2005年第2四半期の業績は、売上が7億7200万ドル、
純利益が1億2千万ドルとなっている。

投稿者 Makino : 14:12 | コメント (0)

2005年08月05日

三菱東京とUFJ、合併延期

三菱東京FGとUFJホールディングは、10月に予定していた合併を
来年以降に延期することを決定した。

金融庁は7月下旬に、経営統合による情報システム関連のトラブ
ルの未然防止について、準備不足を両グループに指摘。

金融庁は、2002年4月に起こったみずほFGの統合時のようなシス
テム障害が、発生する可能性を否定できないと判断したことになる。

これを受けて両グループは、この問題を内部で検討した結果、万全
を期すためには合併を延期して、テストを繰りかえす必要があるとの
結論に達し、来年1月以降に延期する方針を決めた。

両グループの預金口座数は、4000万口座もあるのだから、金融庁が
慎重になるのも無理もない。

延期に伴い両グループに発生するコストや、社員の労力や士気低下
もかなりのはずだ。しかし預金者としては、多少の合併遅れよりも、
安全を優先して欲しいというのが正直なところだ。

投稿者 Makino : 20:13 | コメント (0)