« 2005年11月 | メイン | 2006年01月 »
2005年12月31日
与信管理の2005年10大ニュース
今年はこれで最後の更新となります。
ブログの連続更新も今日でちょうど100日目になりました。
一年間、お読みいただきまして、ありがとうございます。
さて、毎年恒例の「与信管理10大ニュース」を独断と偏見で選んでみました。
皆さんの「10大ニュース」も聞かせてくださいね。
1)中国で反日デモ勃発
2)ライブドアのフジテレビ買収騒動
3)新会社法成立
4)動産公示制度の開始
5)ノースウェスト航空とデルタ航空と同時破たん
6)貿易保険、民間への緩和
7)中国の人民元、切り上げ
8)デルファイの破たん
9)楽天のTBS買収騒動
10)日本最古の法人、金剛組の終焉
来年も毎日更新しますので、よろしくお願いします。
2005年12月30日
米の債権回収における官から民へのシフト
ウォールマートの債権回収に関する方針の変更が、各郡の検察当局の財政事情を直撃している。
長年にわたり、county prosecutors(各郡の検察当局)は、ウォールマートからの依頼でbad checks(不渡小切手)を回収してきた。
ところが先月、突然、ウォールマートが不渡小切手の回収を検察ではなく、First Dataの子会社のコレクション・エージェンシー、TeleCheck Servicesへ移管することを発表した。
例えば、ある郡の検察当局では、約11ヶ月で不渡小切手の回収で$147,000の手数料を得ていたが、そのうちの$47,000がウォールマートからの依頼だった。
他の郡も大体手数料収入の3分の1をウォールマートに依存している現状があった。こうした収入は、検察当局の一般勘定にプールされ、事務所の管理費や刑事事件での証拠提出などの費用に充当されていた。
検察当局の財政事情は、日本とは根本的に異なるため、実感が湧きにくいが、地方の大企業の法人税が地方財政に大きな影響を及ぼすことを考えれば分かりやすい。
しかし、ウォールマートほどの巨人の一挙一投足が、官に大きな影響を与えるところが興味深い。
また、こうしたところでも、官から民への動きが加速しているのが分かる。
2005年12月29日
督促状と携帯メールの関係(海外の事例)
英国のコレクション・エージェンシー、Agilisys Contact Servicesによれば、携帯へ督促のメールを送ったところ、債務者からの返答率が通常の督促状や電話の4倍になったと発表した。
同社では、通常の決まり文句の督促状と電話の代わりに、友好的なメールを1000名の債務者の携帯に送ったところ、2時間で400人から返事があった。
携帯メールへの督促状は、費用削減効果も高く非常に興味深い。
2005年12月28日
電子債権制度の創設
経済産業省、法務省、金融庁は27日、売掛金や手形などの債権を電子化する「電子債権制度」の基本方針を決めた。
現在は、実際の紙の約束手形が流通しているが、これを電子化することで、管理コストを削減するのが目的である。
また、「電子債権管理機関」を創設して、民間企業も業務に参画できるようにする。詳細は28日に発表される予定。
電子化された約束手形や小切手に印紙を貼らなくて良いのかが、企業の最大の関心事のはず。
2005年12月27日
売掛債権を活用した新型の融資
12月24日付の日経新聞の報道によれば、UFJ銀行は中小企業向けに売掛債権を活用した新型の融資を開発した。
新型の融資は、契約上証券化できない売掛債権を流動化するもので、売掛金の額にあわせて、適切な融資額を算出するシステムが基本となっており、同行はすでに特許を取得済み。
詳細は記事からは分からないが、売掛金担保の融資や証券化を発展させたものと思われる。
つまり、売掛金担保融資や証券化を行うためには、企業は自社の売掛金を担保に入れる、あるいは、譲渡する必要がある。
しかし、中小企業は大企業との契約において、特約条項が入っていて、第三者への債権譲渡ができないことが多い。
売掛債権を担保にも入れず、譲渡もせずに、金額に応じた融資を行うことができる画期的な商品である。
どのようにリスクを算出しているのかが興味深い点である。
2005年12月26日
コンビニが百貨店を買収する時代
セブン&アイ・ホールディングスは、ミレニアムリテイリングの発行済み株式の65%を取得し、傘下に収めることを発表した。
買収総額は1300億円前後になると見られる。
これにより、セブン&アイ・ホールディングスは連結売上高約4兆5千億円となり、国内最大、世界でも第5位の小売業となる。
ミレニアムの再生に500億円を投資した野村プリンシパルは、同社株式の売却により約800億円のキャピタルゲインを得る。
また、ミレニアムは、私的整理ガイドラインに基づく当初の再生計画を1年前倒しで完了することになる。
誰もが、統合後のシナジー効果が描くことのできる納得のいく買収である。
元々は、時価総額の逆転した親会社のイトーヨーカ堂と、子会社のセブンイレブンの資本のねじれを是正する目的で発足した持ち株会社だったが、鈴木会長の構想の中には、今回の経営統合も視野に入っていたのではないか。
確かに資本的には、西武百貨店がイトーヨーカ堂の傘下に下る形式だが、これだけの大企業同士の統合がスムーズに進んだ背景には、両社トップの信頼関係が大きかったと見られる。
今年、メディアを賑わしたライブドアや楽天の買収劇とは、次元の異なる見事な経営戦略と言えるだろう。いよいよ日本も、コンビニが百貨店を買収する時代になったわけだ。一方、世界に目を転じれば、世界一の小売業は安売りを得意とするスーパーである。
花王のカネボウ買収と言い、今回のセブンイレブンの西武百貨店買収も勝者が、弱者を飲みこんで更に巨大化する構図。こうした流れは今度も続きそうだ。
2005年12月25日
欧州各国の債務事情
6.8%の英国人は、昨年のクリスマスのプレゼントのローンをまだ支払い続けている、という調査結果が発表された。
堅実な英国人気質が、米国化しているひとつの現象と業界関係者は見ている。
英国における2005年の破産申請数は、2004年より46%も増加した。英国人のクレジットカード債務の平均は5,188ドルで、米国の半分程度の水準にまで上昇した。
一方、ドイツでは3,483ドル、イタリアでは1,268ドルとなっており、経済力に比例してカード債務が増えていることがわかる。
この結果は、遅延債権を有する企業の傾向とは正反対である。欧州では、イタリアが圧倒的に多く、ドイツは少ない国のひとつだからだ。
2005年12月24日
上昇し続ける日本企業のROE
本日付の日経新聞によれば、上場企業の2006年3月期のROEの平均は、過去最高の8.9%となることが予測される。
特に鉄鋼、商社関連の好調振りが目立ち、新日鉄、JFEホールディングスは20%を超える見通し。
ほんの5年ほど前は、上場企業のROEは5%を下回っていたが、景気回復によりとROEを意識した資本政策により、近年上昇傾向にある。
しかし、米国企業のROEの平均は15%もあり、欧州企業でも10%ある。また、一般的に優良企業の目安は20%といわれている。
ただし、ROEを高くするには、分子である当期利益を増やす一方で、分子である株主資本を減少させる必要がある。
企業の安全性の観点からは、あまりにも高すぎるROEは不安定さにつながる可能性もある。
2005年12月23日
金融庁、みずほ証券を処分
金融庁は、みずほ証券を誤発注で処分することを決定した。
また、同様な問題の再発を防ぐべく、全証券会社に一斉点検を要請した。
2005年12月22日
中国浙江省におけるソニー製品の販売差し止めと地方行政のリスク
中国の浙江省の工商行政管理局は13日、ソニー製のデジタルカメラ「サイバーショット」の6機種を一定基準を満たさない不合格品として、販売差し止めを勧告した。
中国のメディアはこの勧告を大々的に報じており、浙江省、江蘇省などの百貨店、パソコン店は自主的に、ソニー製品を店頭から撤去しはじめた。
ソニー側は、工商行政管理局に再検査を申請したが、申請は却下された。
中国では、カメラの国家統一基準は存在しない。また、販売差し止めは、浙江省だけのことであり、他の省では同社製品の品質は問題にされていない。もちろん、他のメーカーの製品は販売差し止めされていない。
その後の社内調査で、現地工場のスタッフが誤って、実際の性能とは異なる基準値データを提出したことが原因であることを認め、同社の中国のサイトで公表し、返品にも応じる旨を告知した。
20日から返品は開始されたが、中国のメディアは、返品は使用期間にかかわらず、全額補償すべき、返品に要した交通費も負担すべき、などの不満の声が上がっている。
デジカメで高シェアを有するソニーが標的にされた可能性も高く、経済産業省は浙江省に対して、不公平な扱いがなかったのかなどの調査を開始した。
日系企業に大きくかかわる問題だけに今後の動向が注目される。
2005年12月21日
中国政府の統計数値の信憑性
中国の国家統計局は20日、2004年のGDPが15兆9,878億元だったことを発表した。これにより、中国は2004年のGDPランキングでイタリアを抜き、世界第6位になった。
今回の修正は、中国初の全国経済国勢調査を反映したものだが、当初の発表値から16.8%もの増加は、前例のない規模の上方修正であり、中国政府の統計に対する不信感を増加させる。
また、中国の経済成長率から推定すると、2005年には世界第4位の経済国になることが確実視されている。
一方で、中国政府は、年収が1万3千円程度の貧困層が1億人おり、一人当たりのGDPは世界107位であると指摘し、依然、発展途上国であると強調している
確かに中国における貧富の差は広がる一方だが、米などからの元の一層の切り上げ要求は高まるだろう。
2005年12月20日
悪化する米銀の不良債権比率
CardWeb.comの発表によれば、米銀の不良債権は10月に、2005年で最高の7.03%まで増加した。
銀行が有するクレジットカード債権の回収不能が増加している背景には、米破産法の改正による駆け込み申請が大きな影響を及ぼしている。
同社は、11月、12月も記録を更新する可能性があり予断を許さない状況だとレポートしている。
2005年12月19日
先行指標としてのリスク情報開示
12月15日付けの日経新聞によれば、2005年9月中間期の決算短信にリスク情報を掲載した企業は22社だった。2005年3月期に比べて7社の減少だった。
リスク情報とは、企業の存続性(ゴーイングコンサーン)に関するリスクを上場会社や有価証券報告書等に記載して、投資家に注意を喚起する目的で2003年3月期から義務付けられた。
また、今回で記載がなくなった企業は12社あり、そのうち、ミサワホームやフジタは再生の道筋がついたことによる。
一方、そのうち2社は、上場廃止となった。1社は民事再生法を申請した勝村建設。もう1社は、小切手の不渡りがあり監査法人が「意見不表明」を出した日本LSIカード。
29社で2社が破たんということは、8%程度の確率であるから、かなりの高確率である。
上場企業については、今後もリスク開示情報が貴重な与信判断の情報源となる可能性が高い。
2005年12月18日
日本最古の法人、金剛組の終焉
中堅ゼネコンの髙松建設は、金剛組の営業を譲受けることを12月14日に発表した。譲渡価格は未定。
金剛組は、日本最古の建設会社で、寺社建築を基幹とする事業を展開している。宮大工による木造寺社建築の設計・施工、文化財建造物の修理・復元での高い技術力をもつ。
しかし、借入過多により資金繰りが逼迫し、自力再建が困難な状況になっていたため、高松建設が傘下に収め、同社の経営体制を刷新し、再生を図ってゆく。
金剛組の平成17年4月期の売上高は75億円で、前年対比で28%も増加していた。同社の創業は西暦578年で、業暦1427年で日本最古の法人である。
日本の伝統的建築手法が伝承されるのは素晴らしいことだが、日本最古の法人の終焉には一抹の寂しさを禁じえない。
2005年12月17日
東証、黄金株導入を条件付で容認
東京証券取引所は、合併など重要決議を拒否する権利を特定の株主に事前に付与する「黄金株」の導入を、条件付で容認する方向であると発表した。
東証は11月に発表した試案においては、全面的に黄金株を禁止する内容となっていたが、与謝野金融担当相や経済産業省、経済界などから反発の声が強まったため、一転して容認することにした。
主な条件は次の通り
(1)株主総会や取締役会の決議で黄金株を無効にできる
(2)黄金株の有効期間を限定する
また、黄金株を導入する企業は、東証に事前に相談する必要がある。
2005年12月16日
なぜ、監査法人は粉飾決算を見抜けないのか?
専門誌『企業診断』11月号でカネボウ問題を執筆した著者が、カネボウに関する財務分析、営業権(ブランド資産)、監査(トバシ、繰延税金資産の評価)、株主訴訟と監査法人の支払能力などを、過去の有価証券報告書をもとに分析します。
さらに中央青山監査法人が本来、吟味すべきだったリスクとは何だったのか、年鑑などの資料を分析して検討します。カネボウ問題と、エンロン、ワールドコム、山一證券、山陽特殊鋼などの事例との相違点を整理します。
2005年12月15日
決算書の見方 について
営業マンにとって決算書の理解は必要最低限の知識。
でも、「実は今ひとつ決算書の意味する ところが分からなくて…」と思っている人や「今さら誰にも聞けない」という人は多いはずです。
この講座では、借方、貸方、勘定科目など簿記や会計の基礎知識は全く不要で、営業マンが自社や取引先の決算書の読み方・実務上のポイントだけをマスターすることを目的としています。
わずか6時間で必ず取引先の決算書の見方が自分のものになります!!
2005年12月14日
米改正破産法の矛盾
米MSN Moneyによれば、自ら仕掛けた改正破産法の施行が、米のカード会社自らの首を絞める結果となっている。
10月17日の改正破産法施行の2週間前では、約50万件の破産申請があった。平均的な週で3万~3.5万であることを考えれば、8倍近くに激増したことになる。
2005年累計の破産法申請件数は200万件を超えており、前年対比で約5割り増しで、歴代の最高記録である。
格付け機関のフィッチは、今後数ヶ月の大手カード会社の不良債権比率が、3割近くまで悪化する可能性があると予測している。
2005年12月13日
中国の上場企業が抱える巨額債務のリスク
チャイニーズドラゴン12月13日号によれば、中国の三九集団は各人民法院に起訴されており、損害賠償額の総額は同集団の総資本を超える。
また、中国紙『大公報』が報じるところによれば、同集団の代理人である弁護士は、同集団がすでに債務超過に陥っており、法的整理の選択しか残されていないとコメントした。
同集団の有利子負債は、98億元(約1568億円)近くあると言われている。
一方、中国の公安部証券犯罪偵察局は、三九集団に対する捜査を行っており、刑事事件に発展する可能性もある。
こうした中、北京の最高人民法院は、各人民法院に対して捜査が終了するまで、同集団に対する訴訟の受理を引き延ばすよう指示をした。
同集団は、日本ではカネボウの医薬品事業買収に名乗りを上げたり、合弁会社設立などで積極的な事業展開を行っていた。
同集団の財務体質が悪化した直接の原因は、香港における不動産投資の失敗である。また、2001年8月には上場している子会社の三九医薬で資金25億元の流用が表面化。
また、2004年には多額の融資金の未払いで複数の銀行から提訴されていた。
2005年12月12日
与信管理とは?
与信管理とは、信用取引の管理のことである。信用取引とは、俗に言うところの
「掛売り」のことで、前払いや現金取引ではない全ての取引を指す。
つまり、品物の受領と代金の支払いが、同時に行われない全ての取引ということ
になる。
業種で言えば、企業対消費者の商取引であるスーパーや、レストランにおいては、ほとんど全てが現金取引となっている。
一方、企業間取引においては、むしろ現金取引は稀で、手形、小切手、銀行振込などを活用した信用取引が中心になる。
但し、飲食業でもいわゆる「つけ」がきく店では、与信管理が必要になる。こうした店では、全ての経営者は「与信マインド」を養う必要があると言ってもよい。
2005年12月11日
与信管理の貴重な情報源消失
非公開企業を分析する上で貴重な情報源であった2つの公示制度が、来年度にも廃止されることが確実となった。
与信管理の定性分析においては、経営者の経営能力や資産力がチェック項目になっていることが多い。
経営者個人がどの程度の収入を得ているのか、非公開企業はもちろん、上場企業でも総額しか開示されないため、情報を入手するのは難しい。
ところが、所得税額を1千万円超を納めている個人は、住所と氏名、納税額が年に一度公開される公示制度がある。
いわゆる『長座番付』である。
経営者の資産力を分析する上で貴重な情報源であるが、来年度にも廃止されることが確実となった。
公示が原因で高額所得者が犯罪に巻き込まれる可能性や、個人情報保護法の施行が主な廃止の理由である。
また、非公開企業の決算内容を推定する上でも貴重な情報源であった『優良法人』の公示制度も同じように廃止される方向。
年間所得金額が4千万円以上の法人を『優良法人』と一般的に呼び、法人名と代表者名が管轄税務署で公示される。
個人情報保護の施行など、法律や規制は与信管理に欠かすことのできない情報取得を制限する方向に動いている。
こうした動きは、日本に限らず世界的な傾向である。一方では、企業の情報開示を促進させる法制度の強化も急務ではないか。
2005年12月10日
不動産登記簿の見方(7)
同じように短期の「賃借権設定(仮登記)」も注意を要する。短期というの
は土地5年、建物3年以内のこと。
短期の賃借権を設定しておけば、後で立退き料や賃借権抹消登記料などを落
札者に請求することができる場合もあり、金融業者などが債権回収の手法と
してよく使ってきた。
「抵当権設定仮登記」と同一の債権者(権利者)による賃借権設定仮登記は
特に要注意。但し、今後の法改正により、こうした短期賃借権の権利は大幅
に限定される予定となっている。
2005年12月09日
不動産登記簿を見るポイント(6)
利息については、登記申請時の利息であるため現在も同じ利率であるとは限り
らない。
また、債権額が100万円以上で利息が年15%と登記されている場合は、実際の利率はそれ以上であると考えてよい。
<利息制限法の上限金利>
10万円未満 年20%
10万円以上~100万円未満 年18%
100万円以上 年15%
登記では利息制限法の上限でしか登記できない。
しかし、実際に債務者は、高利貸しや街金融などから「出資法」の上限である年29.2%で借り入れている可能性がある。
債権額にもよるが、これは与信管理上「要注意」のシグナルで、その取引先との売り掛けでの取引は避けた方が無難である。
2005年12月08日
ヒューザーの融資競争に見る定量分析偏重のリスク
時事通信の報道によれば、地銀や第2地銀が、構造計算書偽造マンションの建築主であるヒューザーに対して、熾烈な融資競争を行っていたことが判明した。
低価格物件を売り物に急成長を遂げていた同社は、2005年3月期で売上121億円に対して、借入総額が89億円となっている。
単純に計算すると、有利子負債月商倍率は8倍近くあり、危険度の目安と言われる4倍の倍近くある。
用地買収のために、借入金に依存せざるを得ないマンション・デベロッパーであることを割り引いても、財務体質は健全とは言えない。
こんな事件を予測することは誰にもできなかったが、定量分析のみが重視されている融資判断に問題があるのではないか。
金融庁が、不良債権処理に喘ぐ金融機関の自己査定に際して求めた債務者区分の弊害がこんなところにも出ている。
2005年12月07日
カネボウの売却先は花王が最有力候補
複数のメディアが報じたところによれば、カネボウとカネボウ化粧品の売却先は、ほぼ花王陣営に決まったようだ。
花王は4400億円?4500億円を提示したと見られる。
産業再生機構は、花王の提示額の高さと事業統合のシナジー効果を評価した模様。
12月1日の最終入札に参加したほかの2陣営は転売目的の投資ファンドが中心となっている。
一方、花王は買収後もカネボウブランドは残しておく方向で検討している。化粧品事業だけでは、カネボウは花王の3倍近くもあるため、移行期間をとる考えだ。
2005年12月06日
IBM、オムロンの売掛管理業務を受託
日経産業新聞によれば、日本IBMはオムロンから未回収の売掛金を管理する業務を受託した。
オムロンは、IBMにアウトソーシングすることで、管理費用を最大で4割も削減できる見通し。
一方、日本IBMは、この業務を中国の大連にある事務センターで行う。同センターでは600人の従業員を雇用している。
大連に移管される業務は、顧客情報・売掛金のデータ入力、入金などの事務処理で、売掛金の回収業務は対象外となっている。
債権回収を対象外としたのは、IBMはコレクションエージェンシーではなく、専門分野ではないこと、日本の法律に抵触する可能性があるためと思われる。
2005年12月05日
米の与信管理、最新事情
米では、与信管理に関するすごいハイテクが開発され、話題を呼んでいる。
その名もPayTeck Smart Boxで、自動車販売の与信管理向けのツールである。
販売店が独自にローンを提供して車を販売する場合に、このツールをイグニッションのシステムにあらかじめ取り付けておく。
毎月の支払日が来ると、支払と引き換えに渡される5桁の番号がないと、車はエンジンがかからなくなるという仕組みだ。
実際にこれを活用している販売店では、導入前は45%だった延滞率が、15%に激減したという。
1台200ドルするこのツールを500台に取り付けても、十分にコストが回収できるようだ。
日本では車のローンは、信販会社などが行うので販売店がここまでする必要はない。しかし、このシステム、非常に興味深い。
つまり、あらゆるものに応用できる可能性を秘めているからだ。電話、電気、水道を止めるのと同じである。
借家法上問題あるだろうが、マンションの鍵に取り付ければ、家賃の未納を防げる。PCなどの情報機器に取り付ければ、リース、レンタル代金の滞納が防止できる。
住宅や家電など、ありとあらゆる物のIT化が進む中、比較的簡単に導入でき、抜群の効果を発揮できる。
2005年12月04日
担保評価に新たなリスク、耐震審断と石綿検査
国土交通省は、宅地建物取引法に定める重要事項説明に耐震審断と石綿検査の2項目を追加する方針を決めた。
耐震診断の対象は、1981年以前に建築された建築物だが、石綿検査は全物件が対象となる。
2006年1月に法律を改正するとの発表なので、早ければ4月あたりから施行するのではないかと予測される。
ユーザーとしては、非常に重要な情報であることは間違いない。しかし、このコストを負担するのは誰なのだろうか?
構造計算の確認は、大手マンションデベロッパーなら、社内で行えるが、中小事業者では社内で人材がいない。また、不動産の販売会社や仲介業者でも、当然不可能である。
さらに、アスベスト検査にいたっては、専門の会社に外注せざるを得ず、費用も数十万円程度かかると言われている。
今後竣工される物件では、間違いなくデベロッパーが安全性を売り物にするはずで、転売時にも調査は不要になる。
問題は、現在市場に流通する中古物件である。
また、これは単なる消費者としての問題ではなく、与信管理における担保評価にも影響がある。
担保物件が耐震基準をクリアーしていなかったり、石綿を使用していれば、実際に担保物件を競売に書ける際に、買い手がつかない、落札価格が叩かれるなどの問題が予想される。
必然的に、担保価値をかなり低めに設定せざるを得ないはずだ。一般的には、担保余力の6~7割だが、こうした物件では、5割をきるのは確実で、1~2割の場合も想定される。
2005年12月03日
公正取引委員会、三井住友銀行に排除勧告
公正取引委員会は2日、独占禁止法違反で三井住友銀行に対して排除勧告を行った。
同行が違反したのは、同法第19条で、不公正な取引方法第14 項、『優越的地位の濫用』第1号に該当すると判断された。
同委員会によれば、同行は融資先に対して金利スワップの購入を提案していたが、金利スワップの購入が融資の条件である旨を明示又は示唆していたという。
大手銀行に対する排除勧告は、旧日本興業銀行、旧三菱銀行に続く3件目で、1957年以来、実に48年ぶりとなる。
いわゆる、融資の見返りに対する商品やサービスの購入要請であるが、巷では耳にする話である。これが、独禁法に該当するとなると、他の大手行にも波及する可能性もあるのではないか。
2005年12月02日
日経平均の1万5千円台回復と企業倒産
12月1日の日経平均の終値は1万5130円50銭となり、2000年12月13日以来、実に5年ぶりに1万5千円台を回復した。
日経平均だけでなく、出来高も約26億4300万株と高水準で推移しており、2006年3月期決算企業の好業績の見通しや、本格的な景気回復への期待感が感じられる。
最近の株高は、個人投資家や外資ファンドなどが牽引役となっている点が、バブル期とないているが、大きく違うのは企業の財務体質が大きく改善されている点だ。
バブル崩壊後、日本企業は有利子負債の削減、事業の絞込みを行ってきたおかげで、利益の出やすい筋肉体質に変貌を遂げた。
さらに、円安が追い討ちをかけて特別利益が上乗せされている格好だ。
私見では、株高、円安の傾向は2006年中は続きそうであり、企業業績も伸び率は鈍化するが安定するだろう。
一方、企業の倒産件数は減少の一途をたどっており、13年ぶりに14,000件を下回った2004年に続き、2005年も13,000件を下回ることが予想される。
ただし、興味深い点として、33ヶ月連続で対前年同月を下回ってきた倒産件数が、8月と10月はそれぞれ増加したことだ。
これだけでは、2005年の減少基調は変わらないが、来年あたりから反転するかもしれない。
2005年12月01日
カネボウ粉飾、元経営陣の初公判
カネボウの粉飾決算問題で、有価証券報告書虚偽記載の罪で刑事告発されていた、帆足元社長、宮原元副社長の両被告に対する初公判が30日、東京地裁で開かれた。
両被告は起訴事実を全面的に認めたため、裁判は早期に結審する見通し。
検察側の冒頭陳述によれば、両被告は2002年3月期の決算で実際は890億円の債務超過だったのにもかかわらず、9億円の資産超過に決算内容を粉飾した有価証券報告書を作成、翌年も同様の粉飾を行った。
両被告は、自分たちが貧乏くじを引いたと周囲に漏らしているとの話も出ている。これが事実ならば、2年間だけの問題でも、両被告だけでの問題でもなく、組織としての問題なのではないか。
史上に残る大規模粉飾事件は、カネボウ1社だけの問題にとどまらず、監査を担当していた中央青山監査法人の担当会計士3名が起訴されるなど、監査法人の監査体制にも大きくメスが入った。