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2005年10月31日
不動産登記簿を見るポイント(4)
「抵当権」、「根抵当権」ともに不動産に対する担保で、当事者間の契約により成立する。「抵当権」は、ある特定の取引に伴う債権を担保する権利。
一方、「根抵当権」は、反復継続する取引から生じる債権を担保する権利で、極度額
の範囲内であれば、借入・返済の度に抵当権の設定や抹消をする必要がない。銀行が企業などに融資する際に設定するのが一般的。
記載項目は甲区と同じ。ここでも、「権利者その他の事項」が重要になる。「権利者その他の事項」には次の項目が記載される。
<抵当権>
債権額・利息・損害金・債務者の氏名と住所・抵当権者の氏名と住所
<根抵当権>
極度額・債権の範囲・債務者の氏名と住所・根抵当権者の氏名と住所
通常、抵当権者には銀行、ノンバンクやリース会社の会社名が記載されるが、あまり聞いたことのない社名が抵当権者になっている場合は、その会社も調査する必要が出てくる。
高利貸しや街金融のようなところから担保を設定されていれば、その会社の財務状態はかなり厳しいと見ることができる。
2005年10月30日
不動産登記簿を見るポイント(3)
不動産登記簿では、会社の不動産や代表者個人が所有する不動産の状況が分かる。不動産登記簿の構成は次のようになっている。
●表題部(土地や主たる建物の表示)
●甲区(所有権に関する事項)
●乙区(所有権以外の権利に関する事項)
「表題部」には次の不動産の概要が記載される。
[土地] 所在・地番・地目・地積・原因及びその日付・登記日
[建物] 所在・家屋番号・種類・構造・床面積・原因及びその日付・登記日
「甲区」には所有権に関する事項が記載される。甲区の記載事項は次のとおり。ここで重要なのは、所有者の名義と住所の確認である。
<甲区の記載事項>
順位番号・登記の目的・受付年月日、受付番号・原因・権利者その他の事項
「乙区」には、所有権以外の権利に関する事項が記載される。主に、抵当権、根抵当権、賃借権などが記載される。
2005年10月29日
日本で苦戦するウォールマート
埼玉の西友は、一見何の変哲もないスーパーだが、よく観察すると違いが分かる。
通路の幅は広めで、商品のブランドは日本では馴染みのないSimply Basic、Sam's Clubが置かれている。
そして、店内の看板には黄色のスマイルと、Rollbackとかかれている。
ウォールマートが、西友の株式を取得し日本に参入して3年が経過したが、赤字から脱却できない。
今年の7月には、社長が再生失敗の責任を取って辞任した。日本の投資家は、ウォールマートは、もっと投資すべきとの批判が上がっている。
世界最大の小売り業であるウォールマートでさえも、米国流のやり方を踏襲するだけでは、日本では生き残れないい事例である。
2005年10月28日
経営者の連帯保証不要の融資
10月28日付の日経新聞によれば、東京三菱銀行が2005年5月から、中小企業向けに経営者に担保や連帯保証を求めない、新型融資を行う方針を決定した。
ただし、5月施行予定の新会社法に定める会計参与制度を導入することが条件となっている。
新会社法の与信管理に与える具体的な影響が、融資条件に反映された初のケースといえよう。
日本では2000年ぐらいから、三井住友銀行などが中心となり、中小企業に対する無担保無保証融資を開始した。
しかし、融資条件を詳しく見ると、この「無保証」は第三者の無保証が不要という場合が多かった。
つまり、経営者本人の連帯保証は、当然必要ということである。こうした金融機関の与信管理のあり方は、日本では常識とされてきたが、欧米ではそうでもない。
米国では、ベンチャー企業に融資する場合も、無担保はもちろん、経営者の保証なしで融資するケースが多い。
他にもみずほ銀行は、10月3日に施行された動産譲渡担保の登記制度を活用した融資を企画している。
日本の金融機関における与信管理や審査基準も米国型に移行しつつあるという好例である。
2005年10月27日
中国建設銀行、香港で上場
10月27日、中国の四大国有商業銀行として初めて、中国建設銀行が香港証券取引所に上場した。
一般の投資家に対する公募は42倍と大人気だったが、公開後の初値は公募価格と同じになった。
中国建設銀行の調達額は80億ドルで、香港市場で過去最大規模の調達となった。これだけ大規模な調達を行えるということは、中国の金融市場に対する関心の高さをうかがい知ることができる。
かつては20%台だった中国の商業銀行の不良債権比率は、2005年6月末で8.71%にまで低下している。
これは国有の資産管理会社に不良債権を移管したのが大きな要因だが、B/S上財務体質が改善しているのは事実である。
四大商銀のひとつである中国工商銀行も10月25日に今後の株式公開に向けて、法人形態を株式会社に変更したばかり。
ただし、過熱気味の不動産投資に対する融資の不良債権化の可能性や三角債の問題など、懸念事項はまだまだ多い。
2005年10月26日
コールセンターの設立が相次ぐCollection Agency
最近、英国など欧州系のCollection Agencyの躍進が目立っている。
欧州最大のCollection AgencyであるIntrum Justitiaは、英国のLiverpoolのコールセンターで新たに40名を雇用する予定。リバプールの地元紙が報道した。
同社は欧州にある22のオフィスで、2900名を雇用しているが、そのうちの250名はリバプールに在籍している。
また、英国のDirect Legal and CollectionsはBuckinghamにコールセンターを開設し、新たに250名を雇用する予定。バッキンガムの地元紙が報じた。
一方、米国のWinsource Solutionsは、フィリピンにコールセンターを開設する予定。
Collection Agencyに限らず、フィリピンでは、語学能力の高さと格安な人件費により、コールセンターなどのバックオフィスを開設する欧米企業が増えている。
債権流動化策の多様化と企業における債権管理のアウトソーシング活用の一般化により、Collection Agency業界は活況を呈している。
2005年10月25日
ブッシュ大統領、新FRB議長にバーナンキ氏を指名
ブッシュ大統領は24日、エコノミストのBen S. BernankeをグリーンスパンFRB議長の後継者に指名した。バーナンキ氏は、来年2月から議長に就任する見通し。
バーナンキ氏は、Princeton Universityの教授からワシントン入りし、2002年にFRBの理事に名を連ねた。また2005年の6月からは、ブッシュ大統領のCouncil of Economic Advisers(CEA)議長も務めていた。
後継者の発表は同時に、18年に及ぶグリーンスパン議長の任期も終わりに近づいたことを意味する。グリーンスパン議長は、比類なき市場との対話能力により、米経済の数々の危機を乗り越えてきた。
記者会見で後任のバーナンキ氏は基本的にグリーンスパン氏の路線を踏襲する考えを示した。米国の株式はFRB議長後任者の発表を好感し、ダウ、NASDAQ共に上昇した。
米国のみならず世界経済に大きな影響を及ぼす、FRB議長の交代がスムーズに行われることは、米経済を取り巻くリスクがひとつ減ったことになる。
2005年10月24日
不動産登記簿を見るポイント(2)
ここで注意が必要なのは、土地の「地番」や建物の「家屋番号」が実際の住居表示と異なる点である。
建物の不動産登記簿については、家屋番号が分からなくても所有者が分かっていれば、登記事項証明書を入手することはできる。
ところが、土地の不動産登記簿を調べるには、「地番」が必要となる。中には、地番と住居表示が同じ土地もあるが、ほとんどは異なっている。
何も知らずに住居表示で不動産登記簿を入手すると、実際とは全く違う場所の不動産登記簿が出てくることになる。
「地番」は通常、法務局に備え付けられてある「住居表示と地番の対照表」で
調べるか、住宅地図と公図を突き合わせて「地番」を特定する。
最近では、「地番」を端末で検索できる法務局も増えてきた。しかし残念ながら、インターネット経由で登記簿を取得する際に、住居表示から地番を検索することはできない。
一つの土地が複数の地番にまたがって存在していることも珍しくない。その場合には、該当する地番の登記簿を全て取得して確認することになるので、費用がかさむ。
2005年10月23日
不動産登記簿を見るポイント(1)
取引先の情報集の基本は、まず商業登記簿を取得する。
その上で、取引先の事務所が自社ビルであれば、その土地と建物の不動産を取得。事務所が賃貸の場合は、代表者の自宅の不動産登記簿を取得する。
ここまで全て行っても費用は3~5千円程度。これが最低限の情報収集といえる。
もちろん、自分で登記簿を取るのは面倒だというのであれば、調査会社のレポートを取得してもいい。
不動産登記簿も商業登記簿と同じようにインターネットで検索できる。不動産の登記簿謄本(抄本)、登記事項証明書の取得にかかる印紙代は、基本的に1通1,000円。インターネット経由で取得すると950円になる。
なお、不動産登記簿は土地と建物で別々に作成、保存されているため、取引先の不動産の担保価値を調べるためには、土地と建物の両方を取得する必要がある。
2005年10月22日
明治安田生命、不払い5年で52億円
明治安田生命保険は21日、保険金、給付金の不当な不払いが過去5年間で計1053件、金額にして実に52億円にも上ることを発表した。
この不祥事の責任を取り、すでに辞任を表明している金子社長以外にも、会長と副社長も辞任する。
月内にも金融庁は、業務停止命令を含む2回目の行政処分を出す可能性が高い。同社は今年2月に、やはり不当な不払いで金融庁から業務停止命令を受けている。
弁護士などの社外取締役で構成される調査委員会が、過去5年にさかのぼって社内調査を実施したところ、旧明治生命で組織的とも言える、不払いの実態が明らかになった。
具体的には、査定部門が支払い抑制の数値目標を作り、不払いを促していた可能性があると調査委員会は分析している。
確かに、企業が利益を上げる方法は大きく2種類しかない。
売り上げの増加と原価や費用の削減である。超優良企業であるトヨタなどは、この両者を飽くことなく追及しているから、比類なき競争力を維持できている。
しかし、保険会社が保険金や給付金の支払いを費用と捉え、削減目標を設定するとは常軌を逸している。
どこまで経営陣が関与していたのか、明らかになっていない。しかし、会社全体の利益向上のための目標が各部門にブレイクダウンされていくにつれて、部門別の数値目標だけが一人歩きしてしまう危険がここにある。
2005年10月21日
中国のGDP7-9月期、9.4%増加
中国の国家統計局は20日、2005年第3四半期のGDP成長率が、前年同期比で9.4%増加したと発表した。
中国のGDPは、9四半期連続で9%以上の成長を続けており、通年でも3年連続で9%以上の成長率となるのは、ほぼ確実と見られる。
高成長率の牽引役は、やはり輸出関連で7月に実施された人民元切り上げの影響はほとんどなかった。
景気過熱への警戒も消えておらず、2005年1~9月の固定資産に対する投資は26.1増加した。40~50%の高成長に比べれば幾分衰えてはいるものの、高成長であることに変わりはない。
暴動などの社会不安が問題化している内陸部でも、GDPは11.5%増加している。ただし、2~3割の沿岸部に比べればかなり低いと言える。
2005年1~9月での一人当たりの平均収入は、都市部では977ドルなのに対して、内陸などの地方では、303ドルと大幅な開きがある。
9ヶ月間の総輸出額は31.3%増加して5464億ドル、総輸入額は16%増加して4781億ドとなり、683億ドルの貿易黒字となった。既に2004年の黒字額の2倍を超えたことになる。
米などから、人民の切り上げ圧力が再び高まるのは必至。上海オリンピックのある2008年までは、9%以上の高成長率を維持する可能性は高いと見られる。
2005年10月20日
タイ政府、大規模な債務免除を実施
10月19日付の日経新聞によれば、タイ政府は10万人が抱える70億バーツ(約190億円)の債務元本を対象とする債務免除を閣議決定した。
具体的には、20万バーツ以上の債務を抱え返済不能に陥っている個人が対象で、金融機関が債務元本の5割と利子を免除する。
その代わり債務者は、2006年上半期内での債務完済の義務があるが、困難な場合は政府系金融機関の低利融資も利用できる。
クレジットカードや不動産の債務は対象外となった。
こうした徳政令は、タイの貧困層にとっては慈雨かもしれないが、債権者にとってはいい迷惑である。
個人が対象とはいえ、経営者個人の債務は対象となるわけで、今後法人の債務についても、同様の債務免除の要請が債権者に対して行われる可能性はある。
また、モラルハザードも予想され、タダでさえ支払の悪いタイ企業の支払遅延を増長させる懸念もある。
2005年10月19日
GMの経営危機
好調といわれる米経済だが、原油高が企業業績と個人消費に影を指し、相次ぐ
ハリケーンの襲来による未曾有の災害が追い討ちを掛けている。
大手航空会社の相次ぐ破綻に加えて、自動車産業を支えるデルファイの破綻が
米産業界に与える影響は決して小さくない。
GMの2004年12月期の連結売上は1935億ドル、純利益は28億ドルとなってお
り、32万人を雇用している。
200%が目安となる流動比率は74%となり、自己資本比率は危険領域といわれ
る10%を下回り、6%まで低下している。
もちろん、GMクラスの大企業は、財務体質の劣化だけで破たんすることはない。
金融機関の意向はもちろん、政治力が大きく影響を及ぼす。
しかし、GMの負債総額は4514億ドルもあり、万が一、破たんすれば米史上最
大規模になるのは間違いない。日本企業が受ける影響も軽微なもので済まない
はずだ。
一方、GMとUAWの交渉成立のニュースを受け、早くもフォードとダイムラーも
同条件での合意をUAWに求める意向を示している。
結果的にGMの経営危機が、自動車業界だけでなく、米産業界のレガシーコスト
となっている労組問題と年金負担を大きく見直す好機になる可能性もある。
2005年10月18日
GM、GMACを売却か
GMは17日、会社の医療負担を年間10億ドル削減することで、UAWと暫定的合意に達したと発表した。
75万人のブルーカラー、退職者とその家族が対象になる。
GMのRick Wagoner会長は、今回の合意を「経営再建に向けての非常に大きな一歩」とコメントした。
しかし、GMは2005年第3四半期で16億ドルの赤字を計上しており、S&Pは17日にGMの長期格付けをBB-から、更に格下げする可能性があることを発表した。BBは、投機的格付けを意味する。
GMは、直面する財務危機を乗り越えるために、虎の子であり優良子会社GMACの株式の大部分を売却する意向も示している。
確かにGMAC株の売却で、GMには多額の現金が転がり込むが、同時に、高収益金融ビジネスという安定的な収益元を失うことにもなる。
GMACは大手ノンバンクであり、日本ではサービサーとしても活動している。
2005年10月17日
米連邦破産法、今日から改正
本日の米連邦破産法改正に合わせて、米の破産申請件数が急増している。
米連邦破産裁判所によれば、マンハッタン破産裁判所では、10月1日~13日間で2,498件も破産申請があった。昨年の同時期にはわずか62件しかなかった。
LAでは、Chapter7(米連邦破産法第7条)の申請が、今月だけで3,288件もあった。昨年同時期は37件だけだった。
日本でも新聞をにぎわせた、大手航空会社2社の同時破たん、デルファイの破たんも改正法の施行日以前に申請することが一つのポイントであった。
施行後は、色々な意味で債務者にとって不利な点が出てくるからである。
2004年に申請された個人破産約150万件のうち、実に7割近くが連邦破産法第7条を選択した。
しかし、改正法施行後は、この3~15%は、単純な破産ではなく、再生を目的としたChapter13下で債務の弁済計画を建て、裁判所の監督下で債権者に弁済していくことになる。
2005年10月16日
住友信託銀行、ファーストクレジットを買収
住友信託銀行は、2001年に経営破たんしたファーストクレジットを買収する。親会社のローンスターから1300億円で全株式を買い取り、子会社化する。
ファーストクレジットの2001年の破たんは、最大債権者であった新生銀行が同社を実質債務超過だとして、債権者側から会社更生法の適用を申請した特異なケース。
その後、ローンスターが1000億円超で同社を買い取り、更生計画を2003年に完了させていた。
ファーストクレジットは、不動産を担保にしたローンを中小企業向けに提供している。総資産は約1200億円。
同行は手薄だった、利幅の高い中小企業向けの小口融資の分野を拡充したい考え。
2005年10月15日
TBS、上場廃止を検討~正しい株主とは?
TBSは14日、究極の防衛策としての経営の独立性を維持するために、上場廃止も検討することを明らかにした。
村上氏は8月の時点で既に、経営陣によるMBOをTBSに提案していたが、その時点では、提案は拒否されていた。
しかし、村上ファンドに7.45%、楽天に15.46%の株式を瞬く間に取得されてしまい、敵対的買収が現実化する可能性が出てきために、経営陣は考え方を改めたようだ。
一方、当の村上氏は今回の一連の騒動でTBSの株価が高くなりすぎたために、MBOは現実的ではないとコメントし始めた。
また、楽天との連携については否定しつつも、投資家の利益を優先するために値段次第では売却する可能性があることを認めた。
一方、TBSの労組は「楽天がTBSの筆頭株主になったことについて」と題した声明文で、事業の公共性を理由に「我々はTBSの存在意義を理解している正しい株主を望んでいる」と的外れなコメントを発表した。
一体、「正しい株主」とは何のことなのか?
株主には正しい株主も、間違った株主もいない。株式投資は正義でもなければ、社会貢献でもない。経済活動であり、資本を投下して利益を得る活動であり、マネーゲームなのだ。
TBSの労組幹部は、株式投資や株式の上場について勉強しなおしたほうが良いのでは?
確かに公共性という放送事業の特質はあるにせよ、「公開企業は株主を選べない」のは当然である。
したがって、ニッポン放送とフジテレビと同じで、そのリスクを今までに真剣に分析せずに、放置してきたTBSの経営陣が甘いといわざるを得ない。
2005年10月14日
楽天、TBSに経営統合を提案
楽天がTBSの筆頭株主に浮上したとのニュースが国内外で話題を呼んでいる。
楽天及び楽天の子会社は、TBSの発行済み株式の15.46%を取得し、持株会社方式による経営統合を提案した。
楽天はTBSの株式取得に880億円を投じた様子。
三木谷社長は、記者会見で放送事業とインターネットの融合により、日本初の世界に通用するメディアグループを目指すと説明した。
持株会社方式を選択した理由については、TBSと楽天のブランド価値を最大限に活かしつつ、統合のメリットを享受しようという意図がある。
TBS側は突然の株式大量取得及び統合提案に不快感を示しつつ、筆頭株主からの提案には真摯に検討すると述べ、慎重な姿勢を示している。
TBSの株式については、村上ファンドも7%超を取得済みであることが分かっている。楽天は、村上ファンドとの連携は全くないと関係を否定した。
今日、発表される大量保有報告書で村上ファンドの正確な取得比率は明らかになる。
確かに、地道な成長戦略よりも事業買収による規模拡大がもてはやされている。日本の企業経営も米国流に近づいてきた証拠だ。
しかし、ネット関連の本業は絶好調ながらも、楽天も随分大きな賭けに出たなと言う印象である。
2005年10月13日
楽天、TBSの筆頭株主に
複数の新聞の報道によれば、楽天はTBSの発行済み株式数の15~16%を取得し、筆頭株主になったことが明らかになった。
また、楽天はTBSにインターネットと放送の融合に関して業務提携を申し入れ、同時に増資などを通じてTBSへの出資比率を30%程度まで高めたいとの要望も伝えた。
TBSについては12日、村上ファンドが5%超を保有し、大株主に浮上したことが判明したばかり。それ以前は、4%強を保有する日本生命が筆頭株主だった。
村上ファンドは同時に、経営陣によるMBOをTBSに提案したが、拒否された。
村上ファンドの実質的な保有率は、14日に開示される大量保有報告書で明らかになる。
時を同じくして、買収の標的にされた格好のTBSだが、決して偶然の一致ではない。
同社は、赤坂の一等地に本社を構え、上場優良会社の株式や現金を大量に保有しているが、こうした優良資産に比べると時価総額が安いと以前から指摘されていた。
TBSの時価総額は約6136億円だが、現預金で520億円、東京エレクトロンなどの有価証券が1316億円、赤坂の本社など一等地の資産を有している。
ライブドアとフジテレビの攻防戦で一番危機感を持ったのは、TBSではなかっただろうか。同社は、今春から第三者割当増資などを通じて、安定株主を増やす買収防衛策を行ってきた。
年初のニッポン放送の経営権を巡るライブドアに始まり、失敗はしたが夢真の日本技術開発に対するTOB、そして村上ファンドが阪神電鉄の筆頭株主に突如浮上。そして、今回のTBSへの村上ファンドと楽天の増資である。
2005年は、まさに日本の敵対的買収元年と呼ぶにふさわしい年となったが、経営者の中にも成長戦略の一環としてM&Aを位置づける人が増え、その方法としてTOBを挙げる人が多くなったようである。
2005年10月12日
パクリ屋の手口(2)
少額の現金取引きで信用させておいてから、少しずつ注文単位を大きくして、
営業マンにとって、「この顧客はおいしい顧客だな」と思わせるわけだ。し
かも金払いはよいと来ている。ついつい信用してしまう。
そして営業マンの信用を得たと思ったら、大口の注文を手形決済で出す。営業成績を上げたい営業マンはこの誘惑には勝てない。
ここで会社に確固たる与信管理体制があり、登記簿や信用調査レポートで会社を審査していれば、「この会社は危ないから、手形は受け取るな」となるのだが、往々にして与信管理の甘い会社が狙われるわけだ。
営業マンを信用させるテクニックは色々とあり、会社を綺麗にし、わざわざ受
け付けも設けるのもそのため。一般的には、10人程度の会社には受付がないのが普通なのにもかかわらず。
こうして仕入れた商品は、通常バッタ屋などに横流しし、最後はディスカウン
トショップなどに売られることになる。こうしたルートも確立されている、一種の組織的な犯罪なのだ。
また、最近ではネット上のオークションなどが人気があるため、ありとあらゆる商品を転売して、換金化することが可能になっている。
「どうやって、休眠会社を買うのか?」「当座口座をどうやって作るのか?」
と疑問に思う向きもあるかもしれない。
そのために銀行を信用させる手口も無数にあるし、倒産会社の手形帳等が売買されているのが実態だ。
パクリ屋にだまされないためには次の2つのポイントが大切だ。
(1)新規取引先の商業登記簿を必ず確認すること
(2)現在の事務所で1年以上営業していない場合は、簡単に信用しないこと。
2005年10月11日
パクリ屋の手口(1)
パクリ屋とは、詐欺目的で商品を仕入れ、代金を支払わずに、商品を横流し、換金する会社や人の総称である。
昨今では、ヤフオクなどネット上の競売が盛んなため、ほぼどんな商品でも換金が可能になっており、パクリ屋の暗躍する余地が増えている。
パクリ屋の代表的な手口には次のようなものがある。
1)先方から問い合わせや注文の電話が入ってくる
2)月末が多い
3)初めは少額の現金取引で信用させる
4)徐々に注文単位が大きくなり、手形決済になる
5)事務所がやたら綺麗
6)小さな会社なのに受付がある
7)商品の色・サイズにこだわりがない
これは全ての詐欺にいえることだが、人間の心理が実によく研究されている。
受注が思うように取れない営業マンは、月末にはどんな契約でもいいから取っ
てきたいと思うのが本音。
こうした営業マンの弱い心理につけこむのがパクリ屋の手口なのだ。
2005年10月10日
和解協議決裂、三菱UFJと住友信託
旧三菱東京FGと旧UFJホールディングスの持ち株会社同士の統合は完了し、新しく「三菱UFJFG」が10月1日よりスタートした。
一方、旧住友信託銀行が、旧UFJホールディングスに対して三菱東京FGとの統合差し止めと損害賠償を求めた訴訟はまだ決着を見せていない。
9月28日に東京地裁で開かれた和解協議も決裂する見通しとなった。
複数の新聞が報じたところによれば、裁判所が和解の目安として提示した50億円を三菱UFJ側は週明けにも正式に拒否する予定。
住友信託銀行が、UFJ信託銀行との統合準備に使った、数億円の実費以上の支払いに応じることは株主の理解を得られないという姿勢を見せている。
一方、住友信託側が求めている損害賠償額は1000億円であり、5%程度の和解には到底応じられないとの見解を示している模様。
2005年10月09日
デルファイ、米連邦破産法第11条申請
米自動車部品大手のデルファイは8日、米連邦破産法第11条をマンハッタン連邦破産裁判所に申請した。
デルファイの負債総額は222億ドルで、資産は171億ドルとなっており、51億ドルの債務超過となっていた。
自動車業界市場最大の破たんであり、かつての親会社であるGMに対する影響も少なくない。
GMは1998年に、デルファイをスピンオフしたときに、2007年前に同社が破たんした場合、退職者の年金や健康保険を肩代わりするという約束を交わしていたからだ。
また、同社は時間給社員の時給を最大3分の2まで削減し、10ドルにする案も模索している。
GMの発表では、デルファイの破たんによる負債の増加が110億ドルにも上るとしているが、同社の再建が完了すれば、調達コストが年間20億ドル削減できると見ている。
デルファイは、ぎりぎりまでGMやUAWと交渉を続け、破たんを回避しようとしたが、両者とも折り合いがつかなかった。
2005年10月08日
中国の外貨準備高、世界一位に
財務省の発表によれば、IMFが集計した6月末時点での中国・香港の外貨準備高は8379億ドルとなり、日本の8340億ドルを抜いて世界第一位となった。
内訳は、中国本土が7159億ドルで、香港は1220億ドルとなっている。ちなみに、5月末では、日本が5年8ヶ月連続で一位を維持していた。
中国は急激な貿易黒字拡大により、外貨が流入している。これだけの外貨準備高があれば、外貨管理ももっと緩和すべきである。
中国の国内企業が、外国企業や外資企業に担保や保証を提供する場合は、全てが以下管理局の事前許可か届出が必要となっている。
こうした外貨管理が、日本など外国企業が、中国企業と取引する場合に債権保全の足かせになっている。
2005年10月07日
大阪ドーム、7日に会社更生法申請
経営危機により特定調停を申請していた、第3セクター「大阪シティドーム」が7日、大阪地裁に会社更生法を申請した。
負債総額は588億円にも上るが、そのうちの413億円が金融機関からの借り入れとなっている。
金融機関の融資額のほとんどが、回収不能になる見込み。
同社は、大阪市が約21%の株式を保有し筆頭株主の第3セクターで、1992年1月に設立された。
経営破たんの原因は、バブル期の計画で膨らんだ696億円という過大投資。投資に見合うだけの稼働率も来場者数も確保できないまま、利払いで体力を疲弊。
第3セクターの破たんは、今後も続くと見られる。
2005年10月06日
デルファイ、米連邦破産法申請の可能性
米自動車部品大手のデルファイは、今週中にも米連邦破産法を申請する可能性があると、NYT(ニューヨークタイムズ紙)が5日に報じた。
デルファイ破綻の憶測のきっかけは、3日にDavid Sherbinを社内弁護士に迎えたことだった。同氏は、CEOのRobert Millerと共にFederal Mogulの破産法申請を行った経緯がある。
NYTによれば、Millerは、遅くとも改正破産法が施行される、10月17日までに破産法を申請すると発言したとのこと。
もちろんそれまでに、親会社のGMとUAWが同社の救済策に合意すれば破産法申請は回避される。
デルファイは、5万人を雇用しているが、1999年にGMが同社をスピンオフしたときの約束で、2007年までに同社が破綻した場合は、同社の年金と健康保険を肩代わりすることになっている。
肝心のGMは、保有する富士重工の株式を全て放出し、トヨタがそのほとんどを買い取ることが決まっている。
経営不振のGMにデルファイを救済する余裕はないはずだ。
大手航空会社の相次ぐ破綻に加えて、自動車産業を支えるデルファイの破綻が米産業界に与える影響は決して小さくない。
2005年10月05日
動産譲渡の公示制度施行
10月3日、動産譲渡の公示制度を新たに創設した「改正動産債権譲渡特例法」
が施行された。
債権者としては、動産譲渡を登記することで、第三者に対する対抗要件を具備
することが容易になり、動産担保の利便性が向上することが期待できる。
債務者側の利点としては、不動産などの資産を持たない企業にも、機械設備、
在庫などを活用した資金調達手段の道が開かれたという点だ。
今回の改正点の主なポイントは下記の通り。
(1)動産譲渡の登記制度が創設された。
(2)動産譲渡の対象となるのは、個別債権だけでなく集合債権も含まれる。
(3)債権譲渡登記と引渡しによる譲渡(占有改定)が競合する場合、両者の
先後が争われる。
(4)登記事項概要ファイルが創設され、登記事項概要ファイルが創設され、
第三者も動産譲渡の有無の確認が可能になった。
(5)債権譲渡登記は、現行の商業登記簿への記載から「債権譲渡登記事項概
要ファイル」への記載に変更された。
2005年10月04日
平成電電、民事再生法を申請
通信サービスの平成電電(東京都渋谷区、佐藤社長)は3日、東京地裁に対して民事再生法の申請を行ったと発表した。
負債総額は約1200億円。同社の設立は1990年で、従業員数は1100名。
同社は、低価格を売りのもにした「CHOKKA」を大量のTVCMを投じ知名度を上げ、ピークでは440億の年商を上げていた。
また、2005年8月にはヘラクレス上場のドリームテクノロジーズを子会社化していたが、一方では、大規模な投資に見合うだけの顧客獲得が進まずに、経営難に陥っていた。
採算ラインの100万件に対して、わずか14万5千件しか開通できておらず、経営計画のシュミレーションの甘さを露呈した格好となった。
総額900億円にも上る設備投資に伴う多額の有利子負債。利払いだけでも、体力が疲弊しているところに、NTTの基本料金の値下げなど外部要因も重なり、自力での再生を断念した。
同社が株式の40%を有するドリームテクノロジーズだが、2005年6月中間期の売上の実に86%が、平成電電向けとなっており、連鎖倒産の可能性も否定できない。
同社は既に、平成電電向けの売掛債権45億円が回収不能になる恐れがあることを発表している。
一方、平成電電は、多額の設備投資を行うために、約19,000人から490億円を調達しており、こうした資金の返還の見通しについては未定となっている。
2005年10月03日
中央青山監査法人、粉飾関与の公認会計士を実質除名に
東京地検特捜部は3日、中央青山監査法人所属の公認会計士3名を証券取引法違反の罪で起訴した。
これを受け、中央青山監査法人では、起訴された3名の公認会計士に辞職を求め、実質上の除名処分とした。
3名の会計士と起訴猶予となった1名の会計士から、既に辞任届けを受理している。
一般企業の懲戒免職に相当する「除名処分」は、公認会計士が出資者である監査法人では手続きに時間がかかるため、辞職を求めることとした。
今回逮捕された会計士らは、2002年3月期のカネボウの決算で、カネボウの旧経営陣から「本来の決算は赤字だが、このままだと上場廃止になるので黒字決算にしたい」との経営陣の申し出を受け入れ、「黒字額は1ケタにしておいてください」と述べたという。
カネボウは2003年、819億円の債務超過のところを9億2600万円の資産超過、2004年には、806億円の債務超過を5億200万円の資産超過と有価証券報告書に記載していた。
公認会計士は粉飾決算を知りながら、適正意見の監査報告書を出していた。
今回の不祥事により、当時、同監査法人のトップだった上野相談役は辞任するが、現在の奥山理事長は、今年5月に理事長に就任したため、6ヶ月の報酬を50%カットするのみで現職にとどまる見通し。
また、理事長を除く理事10名全員が本日付で理事を辞職した。理事長をのぞく理事全員が辞職することで、今回の問題に対する監査法人としての姿勢を示すと見られる。
2005年10月02日
ジャストシステム、一太郎を巡る特許裁判で逆転勝訴
ジャストシステムが、松下電器産業からワープロソフト「一太郎」で特許侵害があったとして訴えられていた控訴審で、ジャストシステムが逆転勝訴した。
知的財産高裁は、「松下の発明は進歩性がなく、特許は無効」そして一審の判決を棄却した。
これにより、ジャストシステムは販売を差し止められていた「一太郎」などのソフトを従来どおり継続できることになり、重大な経営危機を回避できたことになる。
今回の知財高裁の判決が画期的なのは、特許庁が有効とした特許を判決で無効とした点にある。
特許庁と裁判所の判断に大きな隔たりがあることを露呈した結果となったが、その背景には、膨大な特許出願に対する審理が時間的、マンパワー的に追いつかないことがある。
2000年以降、特許の有効性が争われた裁判が229件あり、そのうち半数近い98件で無効とされている。
ちなみに、2004年は年間23万件の特許出願数に対して、特許登録されたのが12万件だった。
2005年10月01日
カネボウ買収、有力候補相次いで脱退
9月30日付日経新聞の報道によれば、カネボウ譲渡先有力候補だった仏ロレアルが、3次入札に参加しない方針であることが判明した。
同社のグローバルビジネスとの相乗効果がないというのが、不参加の理由。
カネボウの入札については、米投資銀行のゴールドマンサックスも、花王との連合を解消し、2次入札の参加を見送っている。
有力候補と見られていた資生堂は、早々と不参加の方針を決めており、ロレアルの脱退で、3次入札に参加予定のグループの中で、化粧品事業を自社で行っているところは、花王とコーセー、米J&Jの3グループとなった。
ますます、花王の優位性は高まったのではないだろうか。