2005年08月30日
中国で公証法が成立
北京で開催されていた全人代で公証法が成立した。施行は2006年3月1日。
公証法に基づく公証機関は、日本の公証役場に似た役割を担う。これで公正
証書による債権保全策が中国でも活用できることが期待できる。
契約に際して、いわゆる「強制執行認諾」の条項入りの公正証書を作成すれば、
債務不履行が発生した場合、訴訟を経ずに、人民法院に強制執行を申し立てる
ことができる。
実際に人民法院が、どの程度迅速に強制執行に対応できるのか未知数である。
また、債務者が強制執行に供する試算をどれだけ有しているのかと言う実務上
の問題点もある。
しかし、公正証書を作成することが債務者にとって心理的抑制力になる点は間違
いないだろう。
中国にはこれまでも「公正暫行条例」なるものは存在していたが、様々な欠陥が
露呈していたために、今回の新法成立となった。
2005年08月29日
KPMG、4億5600万ドルの罰金で米司法当局と和解
複数の米紙によれば、ビッグ4の一角である会計事務所のKPMGは、
顧客に提供していた節税対策の違法性を認め、4億5600万ドル
(約501億円)の罰金を支払うことで米司法当局と和解をした。
これにより、KPMGは刑事訴求を回避することができ、2002年のアン
ダーセンのような廃業の危機を脱することができた。
今回問題となったサービスは、"Bond Linked Issue Premium Structure(Blips)"、
"Foreign Leveraged Investment Program(Flip)" 、"Offshore Portfolio Investment Strategy(Opis)と呼ばれる節税スキーム。
KPMGは1996年から2002年にかけて約350名の富裕層に販売し、
約1億2600万ドル(約139億円)の収入を得ていた。
140億円の売上のために、500億円の罰金では大赤字と見る
向きもあるかもしれないが、米の関係者の間では、今回
の和解はKPMGにとって大きな勝利だったと見ている。
一歩間違えば、事務所廃業の可能性があったわけだから、
罰金で済めば、それに越したことはない。
ただ、本日(29日)米司法当局の正式発表の内容次第では、
刑事罰の可能性も全くゼロになったわけではない。
2005年08月23日
ポッカ、MBOで非公開へ
飲料大手のポッカコーポレーションは、MBOを実施し、
株式の非公開の道を選択すると発表した。
実際のTOBは、アドバンテッジパートナーズ運営する
ファンドが行い、ポッカのMBOはこれに出資する形式
を取る。
TOBでは、66.7%以上の株式の取得を目指し、TOBが
成立すれば、最終的にポッカは上場廃止になると見
られている。
ポッカが株式の非公開を選択する理由は2つある。
(1)ポッカの時価総額が純資産を下回っていること
(実際の企業価値より株価が割安なので買収の標的にされやすい)
(2)競争が厳しい飲料業界にあって、短期的な収益
獲得にとらわれずに長期的な視点で経営戦略を実行できる。
今年に入り、上場会社の非公開化はこれで2件目。
ライブドアの堀江社長が投げかけた「株式を上場する
ことの真の意味」に対する波紋は、まだまだ広がりそうだ。
2005年08月22日
中国企業の売上上位500社
中国企業連合会と中国企業家協会が、中国企業の売上
上位500社を発表した。
売上は2004年12月期の決算に基づくもので、1位は
中国石油化工集団(石油)、2位は国家電網(電力)、
3位は中国石油天然ガス集団(石油・ガス)となった。
国の政策企業であるエネルギー関連が上位にランクする
のは、当然だが、売上高の金額も日本のトップクラスと
遜色がない。
参考までに1位の中国石油化工集団の売上は、6,342億元
(約8兆5,600億円)もあり、 日本の電力関連よりも多く、
大手電機メーカー並である。
しかも、上位500社の売上は、前年対比で平均30%も増加して
いると言うのだから、日本が経済で中国に抜かれる日もそう
遠くないのかもしれない。
2005年08月08日
野村證券、サービサーを設立
野村證券グループは9月に、出資会社を通じて債権回収業に参入する。
野村のグループ会社であるユニファイド・パートナーズの100%出資と
言う形で設立される。
日経新聞には、サービサー業界が「130兆円市場に成長」と言う見出し
があったが、正確に言うと130兆円市場ではない。
過去5年間の累積の取扱債権額が、約130兆円ということである。
しかし、急成長する市場であることに変わりはなく、野村證券の参入も
そのあたりを読んだものと思われる。
しかし、99年の規制緩和以来わずか5年間で92社が参入し、業界的
にはほぼ飽和状態にあり、競争も熾烈なものになっている。
確かに、今後、都銀から地銀へと不良債権の市場は移っていくが、
それも一巡すれば、市場が細ることは目に見えている。
系列の金融会社の不良債権処理に目処がついたことから、
サービサーに参入するということだが、かなり出遅れ感は否めないの
ではないか。
しかし、今後、対象債権の規制緩和を更に進めなくてはならないサービサー
業界にとっては、証券界のビッグプレイヤーの参入は歓迎すべきであろう。
2005年08月07日
ウルトラマンの著作権、中国で敗訴
円谷プロが、ウルトラマンの著作権を侵害されたとして、北京のデパートを
訴えていた損害賠償請求訴訟で、円谷プロが敗訴した。
北京の中級人民法院は、デパートは中国の玩具メーカーが製造した商品
を販売していただけで、過失はなく「被告不適格」という判決を下した。
タイの企業は中国でウルトラマンの利用権を登録しており、中国の玩具メ
ーカーは、タイ企業から許可を得て玩具を製造していた。
円谷プロは、最高人民法院に控訴するか、中国の玩具メーカーを訴える、
あるいは、ライセンスを許諾したタイの企業を訴える選択肢が残されている。
日本企業の中国における知的財産権戦略を考える上で、円谷プロの今後
の動向が注目される。
2005年08月05日
三菱東京とUFJ、合併延期
三菱東京FGとUFJホールディングは、10月に予定していた合併を
来年以降に延期することを決定した。
金融庁は7月下旬に、経営統合による情報システム関連のトラブ
ルの未然防止について、準備不足を両グループに指摘。
金融庁は、2002年4月に起こったみずほFGの統合時のようなシス
テム障害が、発生する可能性を否定できないと判断したことになる。
これを受けて両グループは、この問題を内部で検討した結果、万全
を期すためには合併を延期して、テストを繰りかえす必要があるとの
結論に達し、来年1月以降に延期する方針を決めた。
両グループの預金口座数は、4000万口座もあるのだから、金融庁が
慎重になるのも無理もない。
延期に伴い両グループに発生するコストや、社員の労力や士気低下
もかなりのはずだ。しかし預金者としては、多少の合併遅れよりも、
安全を優先して欲しいというのが正直なところだ。
2005年08月03日
中国海洋石油、ユノカル買収を断念
中国海洋石油(CNOOC)は2日、米石油大手ユノカルに対する
買収を断念したと発表した。断念の主な理由は、米議会からの
予想以上の反発である。
これで、ユノカルは当初の予定通り、米シェブロンによる買収案
を受け入れることになる。
これにより、約1ヵ月半にも及ぶユノカルを巡る買収合戦は、一応
の決着を見せたことになる。
しかし、これからも、13億の人口と高成長の経済の両輪に支えられ、
長期的に旺盛なエネルギー需要を抱えた中国は、希少なエネルギー
源を巡り、世界のいたるところで米国と争うことになる。
もっとも、中国海洋石油の横槍のおかげで、一番得をしたのはユノカル
かもしれない。この1ヵ月半で、買収価格が約5億ドル(約550億円)も
吊り上がったからだ。
2005年08月01日
カネボウ元社長、粉飾で逮捕
東京地検特捜部は7月29日、産業再生機構の下で再建中のカネボウの
元社長、元役員3名を証券取引法違反の疑いで逮捕した。
創業110年以上の歴史を持つ老舗企業であるカネボウは、5年間で2150
億円ものを粉飾を行っており、3名がその主導的な役割を担っていたと
東京地検は見ている。
実質的には、独裁的であった帆足元社長と旧さくら銀行から派遣されて
いた、宮原元常務の二人三脚で粉飾が行われていた模様だ。